「地球温暖化防止のために節電しよう」、「電力需要が逼迫しているから節電してください」このような言葉を耳にする機会が増えました。
いま、改めて節電の必要性が伝えられています。なぜ節電しなければならないのでしょうか。そして節電のために、私たちにどのようなことができるのでしょうか。
この記事では現代において節電が求められている理由や、家庭でできる節電の工夫や取り組みをご紹介します。
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目次
節電に取り組む前に電気に関する現状を知ろう
今、日本国内や世界はどのようなエネルギー問題を抱えているのかご存知ですか。国内や世界では、次のような問題が起きています。
- 電気代の値上がり
- 周波数低下リレー(UFR)による大規模停電の発生
- 脱炭素社会の実現に向けた取り組み
まずは節電が求められている理由を簡単にご紹介します。
【日本】電気代が値上がりを続けているため
日本では2021年9月ごろから電気代の値上がりが続いています。2022年と2023年を比較すると、その違いが分かります。
2人 | 3人 | 4人 | 5人 | 6人以上 | |
---|---|---|---|---|---|
2022年 | 11,307円 | 13,157円 | 13,948円 | 15,474円 | 17,869円 |
2023年 | 10,940円 | 12,811円 | 13,532円 | 14,373円 | 18,941円 |
私たち国民の生活に影響を及ぼしかねない電気代の高騰。この動きは以下3つの理由によって続いていると考えられます。
- 液化天然ガスなどエネルギー価格が高騰しているため
- 再エネ賦課金の価格が値上がりしたため
- ウクライナ情勢悪化により輸入が難しくなっているため
昨今のロシアによるウクライナ侵攻により、液化天然ガスの輸出大国であるロシアは経済制裁を受けています。そのため、今後も電気代の高騰は続くでしょう。
【日本】周波数低下リレー(UFR)による大規模停電の発生を抑止するため
2022年3月16日に宮城県と福島県で発生した震度6強の地震により、東京電力管内で大規模停電が発生しました。このとき約209万軒が停電し、東京電力はこの停電の理由を「周波数低下リレー(UFR)」だと説明しました。
周波数低下リレー(UFR)について、資源エネルギー庁は以下のように解説しています。
”複数の発電機の同時停止など、供給力が足りなくなることにより大幅に周波数が低下した際に動作し、自動で発電機や需要などを電力系統から切り離す装置。発電機を保護すること、また、連鎖的な発電機の停止などをふせぐとともに、残っている供給力で周波数を制御できる範囲にまで回復させることを目的に、自動的に需要を系統から切り離す。”
引用:経済産業省 資源エネルギー庁「2月13日、なぜ東京エリアで停電が起こったのか?~震源地からはなれたエリアが停電したワケ」
周波数が乱れると、機器が壊れるなどの事故が起きてさらなる大停電を引き起こす可能性があります。被害を最小限に抑えるために、電力消費する側(私たち)と供給側を一時的に切り離すことにしたのです。
さらに同月22日、気温の低下により電力需要が高まったことから、東京電力は節電に協力するように呼びかけました。現在、電力需要ひっ迫警報は解除されています。しかし同じような状況が起きれば、また警報が発令される可能性はあります。
参考:3月22日は電力需給が厳しくなる見込みのため東京電力管内で節電のご協力をお願いします【需給ひっ迫警報】
【世界】脱炭素社会の実現のために
節電が必要な理由の一つに「脱炭素社会の実現」もあります。
脱炭素社会とは、地球温暖化の原因である炭素の排出が実質ゼロである社会のこと。2020年10月に当時の首相、菅義偉氏が「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」ことを宣言しました。
具体的な取り組みには、以下のようなものがあります。
- 化石火力エネルギーの規模縮小
- 再生可能エネルギーの導入と大量導入を可能とするための技術開発の促進
- 省エネルギーの徹底
日本は「2030年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度時点から46%削減すること」を目標にし、達成に向けて取り組んでいます。
関連記事:世界中で進められている「脱炭素」をわかりやすく解説します
家庭でできる節電への取り組み5つ
節電の必要性や取り組む理由について説明しました。節電は、企業や国・自治体による取り組みも必要ですが、国民一人ひとりの節電に対する心がけも大切です。
家庭でもできる節電への具体的な取り組みを5つご紹介します。
- エアコンを効率的に使う
- 冷蔵庫の詰め方・開閉で節電
- パソコンの設定を見直す
- 電気料金のプランを見直す
- 太陽光発電を利用する
節電への取り組み①エアコンを効率的に使う
エアコンは暖かくなるにつれて使う機会が増えます。消費者庁の発表によると、エアコンの消費電力は家庭内で4番目に多いとされています。
参考:全国地球温暖化防止活動推進センター「家庭における消費電力量の内訳」
そんなエアコンを効率的に使用するためのポイントは3つです。
- 外出時は昼間でもカーテンを閉める
- 室外機の周りに物を置かない
- なるべく電源を入れたままにする
外出時にカーテンを閉めることで、室内が暑くなったり冷えたりすることを軽減できます。レースカーテンではなく、遮光カーテンや厚手のカーテンを閉めましょう。
また室外機の吹出口に物をおくと熱が逃げられなくなり、冷暖房効率が悪くなります。室外機用のカバーをかけている場合、エアコンの使用中は外しましょう。
「エアコンを付けたままだともったいない」と思われるかもしれません。しかしエアコンは電源を入れてから数分後が最も消費電力が高くなると言われています。そのため、短時間の外出などなら電源を入れたままにした方が電気の消費量は少なくなります。
関連記事:エアコンの電気代はどれくらい?電気代を左右する要素と節約方法も
節電への取り組み②冷蔵庫の詰め方・開閉で節電
冷蔵庫は家庭内で最も多くの電気を消費している家電です。毎日使う冷蔵庫だからこそ、節電すれば家計にも地球にも優しい暮らしになります。
冷蔵庫の節電ポイントは3つあります。
- 物を詰め込みすぎない
- 熱いものは冷めてから冷蔵庫に入れる
- 室温に合わせて冷蔵庫内の温度を調整する
冷蔵庫に物を詰め込みすぎると、冷気の流れが悪くなります。また奥にある物を探すことが増えるため、ドアの開放時間が長くなります。未開封で常温保存の効くものは冷蔵庫から取り出し、定期的に中身を整理することで冷気が行き渡るようにしましょう。
熱い状態のお茶や料理を冷蔵庫に入れる場合、必ず冷ましてから入れましょう。熱い状態で冷蔵庫に入れると、室内の温度が温かくなってしまい、より多くの電力を消費します。
夏は冷蔵庫内の温度を「強」に、冬は「弱」にしましょう。冬は室温も下がるため、冷蔵庫も冷えやすくなります。冬でも強にしたままだと、食品が凍結してしまうことも。
関連記事:今日からできる!冷蔵庫の節約術
節電への取り組み③パソコンの設定を見直す
テレワークで使う時間が増えたものの一つに「パソコン」があります。エアコンや冷蔵庫に比べると消費電力は少ないですが、1年中使用するため電気の消費量は多くなります。パソコンにおける節電は「設定の見直し」が大切です。
- 明度を抑える
- 不要なアニメーションはオフ
- 省電力モードに切り替える
他にも使用していないメディアドライブやUSB機器の取り外しや、パソコン周辺の風通しをよくすることも効果的です。
スクリーンセーバーは節電になりません。3Dなどグラフィックの美しいスクリーンセーバーは、逆に消費電力を上げてしまうので注意しましょう。
節電への取り組み④電気料金のプランを見直す
根本から節電対策をするなら「電気料金のプランを見直す」のが効果的。ライフスタイルに合った電気プランを見直しましょう。
電気料金のプランは大きく分けて2種類あります。
- 従量料金プラン:使用した電気の総量に合わせて電気料金単価が変更
- 時間帯別プラン:電気を使う時間や季節により単価が変更
今の生活はどちらのプランが適しているのかを比較検討することが大切です。
また契約アンペアの変更も節約につながります。従量料金プランの場合、契約アンペアが高いと基本料金も高くなります。必要以上のアンペアを契約している場合は、下げられないか確認しましょう。
関連記事:家計に優しい電気料金プラン選びのコツ
節電への取り組み⑤太陽光発電を利用する
太陽光発電は個人で発電できる唯一の再生可能エネルギーです。導入コストが下がってきていることもあり、太陽光発電を検討する家庭は増加傾向にあります。東京都では新築住宅への太陽光発電設置が義務化されるなど、脱炭素化に向けて太陽光発電の設置は今後も増えるといえます。
太陽光発電を導入すれば、節電になるだけでなく余った電力を売ることも可能です。発電した電気がお金になるのは嬉しいポイントです。
太陽光発電は初期費用がかかることや定期的なメンテナンスが必要になるなどデメリットもありますが、正しく設置・管理すれば投資額以上のメリットが生み出せます。
自治体によっては太陽光発電の導入時に補助金が出ます。太陽光発電の導入を検討している方は、一度調べてみましょう。
関連記事:太陽光発電を導入するメリット・デメリットについて解説
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まとめ
家庭や職場での少しずつ節電することで、安定した電力供給につながります。そして未来の地球を守ることにもなるのです。
節電は私たち一人ひとりが意識してこそ効果があります。無理せず、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
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※九州において 調査機関:株式会社Acorn Marketing & Research Consultants Japan 調査期間:2024年1月
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