エアコンの使用頻度が増える夏と冬は、電気代が高くなります。その原因は使い方や機能、生活スタイルなどが挙げられます。
今回は、エアコンの電気代目安やなぜ電気代が高くなるのかについて仕組みから解説します。後半では節約のための具体的な方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
エアコンの電気代はどれくらい?
全国地球温暖化防止活動推進センターが発表した、家庭における電化製品別の消費電力量によると、エアコンの消費電力量は一番多いことがわかります。
エアコンの使用頻度には家庭差があるため、エアコンにかかる電気代が年間10万円以上となる家庭もあれば、年間約2万円の家庭もあるなど実態はさまざまです。月別に比較した場合、冷暖房にエアコンを使う家庭では夏と冬の電気代が高くなりやすい傾向にあります。
エアコンの電気代の計算方法
1時間あたりの電気代は、下記の計算式で求められます。
- 消費電力(W)÷1,000×1kWhあたりの電気料金(円/kWh)
これに当てはめると、700Wのエアコンにかかる電気代は、次の通りです。
- 700W÷1,000×31円/kWh※=21.7円
※全国家庭電気製品公正取引協議会が定める新電力料金目安単価
24時間エアコンをつけっぱなしにした場合、1日あたり約521円の電気代がかかります。
ただしエアコンの消費電力は製品によって異なるため、電気代を計算する場合はカタログや取扱説明書の確認が必要です。また冷房・暖房・除湿など、使用モードによっても電気代は異なるため、あくまで目安として参考にしましょう。
エアコンの電気代を左右する3つの要素
同じエアコンを使用しても、使用環境や使い方によって電気代に差が生じます。エアコンの電気代を左右する要素は、次の3つです。
- 設定温度と外気温の差
- 部屋の広さとエアコン性能
- ライフスタイル
ここからは、エアコンの電気代を効率良く節約するために押えておくべきポイントを、項目ごとに詳しく解説します。
1.設定温度と外気温の差
エアコンの電気代を左右する要素の1つが、設定温度と外気温の差です。
エアコンは冷房時は室内の熱を屋外に放出し、暖房時は室外の熱を室内に取り込むことで室温を保っています。そのためエアコンの消費電力量は、設定温度と外気温の差が大きいほど多くなります。
エアコンの電気代を節約するためには、設定温度と外気温の差を小さくする必要があります。そのため真夏の暑い日でも冷やしすぎず、真冬の寒い日でも温めすぎないことが省エネにつながります。
ただし設定温度にこだわり過ぎると、熱中症や風邪などの体調不良を招く場合があるため、体調に合わせて快適に過ごせる室温に調整しましょう。
2.部屋の広さとエアコン性能
エアコンの消費電力量は、畳数目安・部屋の広さに比例します。畳数目安・部屋の広さごとの消費電力目安と1時間あたりの電気代は、下記の通りです。
畳数 | 消費電力 | 電気代(1h) |
---|---|---|
6畳用 | 570W | 18円 |
8畳用 | 710W | 22円 |
10畳用 | 780W | 24円 |
12畳用 | 1160W | 36円 |
気密性が高い鉄筋コンクリート造住宅は、木造住宅に比べて広い範囲の室温を保つことができます。
畳数目安が「6畳用」と記載されている場合、使用する部屋の広さは木造住宅が6畳、鉄筋コンクリート造住宅は9畳が目安です。「11~17畳」と記載されている場合は、木造住宅は11畳、鉄筋コンクリート造住宅は17畳が目安となります。
3.ライフスタイル
エアコンの電気代を左右する要素は、エアコンの使い方や性能だけではありません。ライフスタイルもエアコンの電気代に影響を与える要素の1つです。
たとえば一人暮らし世帯の場合、エアコンの消費電力量が少なく電気代が安くなります。一方、常に家族やペットが家にいる家庭の場合、つけっぱなしにせざるを得ない環境により、エアコンの電気代が高くなりやすいことが特徴です。
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エアコンの電気代を節約する10個の方法
エアコンの電気代を節約することは、省エネにも効果的です。身近な家電製品の消費電力量を抑えることで、家計負担の軽減だけでなく、エネルギー資源の節約や温暖化対策にもつながります。
エアコンの消費電力量を抑えるためには、前述した「エアコンの電気代を左右する3つの要素」への対策が必要です。
ここでは、エアコンの消費電力量を減らして電気代を節約する10個の方法について詳しく解説します。
節約法1. 設定温度を必要以上に低く(高く)しない
エアコンの電気代を節約するためには、エアコンの設定温度を必要以上に低くしたり高くしたりしないようにしましょう。
環境省が推奨するエアコンの設定温度は、夏は28℃、冬は20℃が目安です。エアコンの設定温度を1℃変えた場合、下記の節電効果が期待できます。
モード | 消費電力削減量 |
---|---|
冷房(27℃→28℃) | 約13% |
暖房(21℃→20℃) | 約10% |
まずは、使っているエアコンの設定温度を確かめてみましょう。複数のエアコンを使っている家庭の場合、すべてのエアコンの設定温度を見直すだけで節約効果が高まります。
節約法2.つけたままにする(自動運転モードの活用)
家電製品はこまめな電源のオフが節約の基本です。しかしエアコンの場合は、こまめに電源をオンオフするのではなく、つけたままにしたほうが節約につながります。
エアコンの消費電力量がピークとなるタイミングは、電源を入れてから数分後です。室温が設定温度となったあとは、消費電力量が少なくなります。30分以内の外出であれば、つけたままにしておくほうが電気代が節約できます。
また、エアコンをつけっぱなしにする場合は、自動運転モード(やエコモード)など備え付けの機能を活用しましょう。自動運転モードは、室温の変化に合わせて必要な風量で運転するため、消費電力量を抑えつつ室内を快適な温度に保つことができます。
節約法3.定期的にフィルターの掃除をする
エアコンの電気代を節約するためには、定期的にフィルターを掃除することも重要です。エアコンのフィルターにはホコリがつきやすく、目詰まりすると運転効率が悪くなります。月2回を目安に、エアコンのフィルターを掃除しましょう。フィルターをきれいに保つことで、約25%の電気代削減が期待できます。
フィルターの掃除は、表面のホコリを掃除機などで吸い取り、裏側から水をかけて残った汚れを洗い流します。洗い終わったフィルターは、陰干しで完全に乾かしてから取りつけましょう。
ただし、お掃除機能付きエアコンかどうか、などによってお手入れ方法が異なる場合があります。必ず取扱説明書などを確認したうえで、正しく掃除することが大切です。
節約法4.生活部屋の見直し
たとえば子ども部屋で勉強させるのではなく、リビングダイニングでご飯の支度をする傍らで勉強をしてもらう、など。
同じ空間で過ごすことは電気代だけでなく、コミュニケーションの面でもメリットが大きいです。
節約法5.サーキュレーターや扇風機の併用
扇風機やサーキュレーターで空気を循環させると、室内の温度が均一になり、快適に過ごすことができます。
節約法6.室外機周り対策
室外機でも対策ができることを忘れてはいけません。
- 室外機の上にモノを置かない
- 室外機の吹き出し口をふさがないようにする
などを意識して、余計な負荷をかけずに風通しをよくし、スムーズに空気が循環できるようにしましょう。
節約法7.カーテンやブラインドで遮光する
窓からの直射日光が室内温度を上げるため、遮光カーテンやブラインドで日光を遮ると、エアコンの負荷を減らすことができます。
節約法8.エアコンのサイズを適切に選ぶ
部屋の広さに合ったエアコンを使わないと、過剰な電力を消費する可能性があります。広すぎる部屋に小さなエアコン、または狭い部屋に大きなエアコンを使わないようにしましょう。
節約法9.服装や小物で調整する
外気温と室温の差を大きくしすぎると、エアコンが無駄に稼働してしまいます。夏も冬も、外気温との差は5〜7℃程度が理想です。夏場ではネッククーラー、冬場ではブランケットやスリッパなど、服装や小物で調整することも大切です。
節約法10.エアコンの買い替えを検討する
エアコンは年々進化しており、最新エアコンの消費電力が下がっています。10年前のエアコンから最新エアコンに買い替えることで、消費電力量は約5%削減することができます。
年間消費電力量を50kWh削減できた場合は、1,550円/年の節約効果が期待できます。消費電力以外にも汚れに強くなっていたり、自動運転モード、エコモードなどの標準機能の性能もアップしています。
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まとめ
エアコンの電気代を左右する要素は、「設定温度と外気温の差」「部屋の広さ・エアコン性能」「ライフスタイル」の3つです。しかし常に家族の誰かが複数の部屋にいる場合や、ペットを飼っている場合は、ほかの家庭に比べて電気代が下がりにくい傾向にあります。
エアコンの電気代を節約するためには「設定温度の見直し」「自動運転モードの活用」「定期的なフィルター掃除」などがおすすめです。無理なくできることから始めて、エアコンの電気代を節約しましょう。
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