電気代が高騰中!その理由と今後の予測、対策とは?

2022.04.04

ここ数ヶ月、電気代の値上げを見て驚いた方は多いのではないでしょうか?SNSなどでは「電気代が4倍になった」「電気代が高騰し続けている」といった声をよく見かけます。

2021年より電気代は右肩上がりで、今後もさらに値上げするものとみられています。

なぜ電気代が値上げされるのでしょうか?また今後も電気代は高騰し続けるのでしょうか?

この記事では、電気代の値上げが続く理由や今後の予測などを詳しく解説します。

目次

電気料金値上げの現状とは?

電気料金値上げの現状とは?

電気代は2021年9月から値上がりを続けています。まずは電気料金値上げの現状についてみていきましょう。
その前に、電気代の仕組みを説明します。

【月々の電気代 = 基本料金 + 電力量料金 + 再エネ賦課金】

電力量料金は使用した電力量によって計算されたものから、燃料費調整単価が足し引きされて算出されます。発電のための燃料(石油や石炭、天然ガス)は市場や為替によって変動するため、それに応じて燃料費調整単価が変わります。

また再エネ賦課金とは、再生可能エネルギー普及のために導入された料金です。再エネを促進するために電力を使用するすべての事業者・家庭から徴収される税金のようなものです。再エネ賦課金は経済産業大臣によって毎年決められます。

参考:経済産業省 資源エネルギー庁「月々の電気料金の内訳」

大手電力会社7社は2022年4月から電気料金を値上げを発表

2022年4月から大手電力会社7社は電気料金のうち、「燃料費調整額」の値上げを発表しています。最も値上げするのは中部電力で、次いで東京電力が高くなります。
各社が算出している家庭の1ヶ月あたりの電気料金とその差額を以下の表にまとめました。

  2022年4月分 2022年3月分 差額
中部電力 8,076円 7,949円 +127円
東京電力 8,359円 8,244円 +115円
東北電力 8,431円 8,333円 +98円
沖縄電力 8,823円 8,758円 +65円
九州電力 7,161円 7,104円 +57円
北海道電力 8,322円 8,266円 +56円
四国電力 7,891円 7,839円 +52円

※全て税込、再エネ賦課金(873円)含む
参考:中部電力東京電力東北電力沖縄電力九州電力北海道電力四国電力

上記金額は、各社の条件(従量電灯B・30A、使用量260kWh、口座振替引落割引後)を元に算出されています。
今回値上げされている燃料費調整額は、消費者を守るために上限が決められています。

  • 北陸電力
  • 関西電力
  • 中国電力

上記3つの電力会社は燃料費調整額の上限に達しているため、これ以上の値上がりはありません。しかし上限を超えた分は各社が負担しなければなりません。

電気代は2021年9月から値上がりが続いている

電気代が上がり始めたのは、2021年9月ごろから。電気料金高騰について、テレビやWebメディアで取り上げられていました。

その後も値上がりを続け、2021年12月にも大手電力会社10社は電気料金の値上げを発表しています。2021年1月と12月を比較すると平均で500円〜1200円値上がりしており、企業や家庭に大きな打撃を与えました。

2019年9月から電気代が値上げされている理由は?

2019年9月から電気代が値上げされている理由は?

なぜ、電気代は値上がりを続けているのでしょうか?
今回の値上がりの理由は、以下の3つだと言われています。

  • LNG(液化天然ガス)などエネルギー価格の高騰
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上がり
  • ウクライナ情勢の悪化

電気代の高騰は世界的な状況が影響しています。またこの値上がりは日本だけでなく、世界中で起きているのです。

LNG(液化天然ガス)などエネルギー価格の高騰

2021年9月以降の値上げは、LGN(液化天然ガス)などの価格が高騰したことで発生しました。

世界が脱炭素社会の実現に向けて動き出しており、再生可能エネルギーの普及が進められています。しかし再生可能エネルギーの供給量は気候変動(日射量や風量の変化など)により変動します。

再生可能エネルギーの供給が不足している場合に使われるのが火力発電ですが、その中でも特にLGNの需要が集中しています。数ある火力発電のうち、二酸化炭素排出量が最も少ないのがLGNだからです。

LNGは日本における火力発電の中で最も利用されています。その割合は全体の約4割です。そして日本はLNGをすべて輸入に頼っており、輸入量は中国に次いで世界で2番目。2020年まで日本はトップでした。

また日本の火力発電の3割を占める石炭も、値上がりを続づけています。これは石炭の輸出主要国であるインドネシアが出荷を禁止したことが原因です。この措置は、インドネシア国内での供給量を確保することが目的でした。

関連記事:脱炭素社会に向けて私たち個人ができる10の取り組み

再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の値上がり

再エネ賦課金の正式名称は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」で、こちらも値上がりしました。

年1回、経済産業大臣に価格が決められ、2021年5月〜2022年4月の再エネ賦課金単価は3.36円/kWhでした。2022年4月は2.98円/kWhだったため、0.38円/kWhの値上げになります。

単価だけをみると影響は少なく感じるかもしれません。しかし月の電気使用料を500kWhだとすると、2021年4月と2022年4月では190円、年間で約2,280円程度の差があります。

2022年5月分〜2023年4月分は3.45円/kWhに決まり、前年度と比較すると+0.09円です。

再エネ賦課金はしばらく上がり続けるものと考えられています。

関連記事:再エネ賦課金の基礎知識と減免措置

ウクライナ情勢の悪化

2022年2月24日から始まったロシアのウクライナ侵攻も、電気代高騰に大きな影響を与えています。

ロシアはエネルギー大国で、LNGの貿易量は世界第4位です。日本だけでなく世界各国がロシアのLNGを頼っていました。

参考:一般社団法人 日本ガス協会「天然ガスの取引量」

さらに西側諸国が世界の銀行の決済システム「SWIFT」からのロシア除外を発表し、日本も2022年2月27日にこの措置に加わることを決定。これによりロシアとの輸出入における金融のやりとりが難しくなるため、ロシアからの供給が止まる可能性があります。

電気代だけでなく、ガソリン代や小麦などの穀物の価格も上昇しており、影響は長引くと考えられています。

電気代高騰はいつまで続く?

電気代高騰はいつまで続く?

電気代の高騰は夏以降も続くでしょう。

日本はLNGの輸入において10年程度の長期契約を行っています。しかしLNGの価格は3ヶ月間の原油価格によって変動します。新型コロナウイルスの影響により、世界中の経済活動が止まりました。それにともない電力の需要は一時的に下落したものの、経済活動の再開と共に需要も急増。現在も需要に追いつかず、原油価格が上昇しているのです。

さらに燃料費調整額の値上がりも考えられます。3ヶ月間の貿易統計価格を元に算定されるため、3ヶ月後の電気代に影響してくるのです。

ウクライナ危機の影響に加えて、2022年5月には再エネ賦課金の国民負担額引き上げが発表されました。このことから、全10社の電気料金は値上がりします。

また、世界でも電力不足への懸念が高まっています。再生可能エネルギーの普及とともに、LNGの需要も拡大しており、世界中でLNGが不足状態です。

今後、電気代がどのような動きを見せるのか、注意して見守る必要があるでしょう。

まとめ

生活に欠かせない電気は、世界的な状況により最高値を更新し続けています。現在のところ、電気料金が落ち着く目処は立っていません。

私たちにできることは、節電や電気プランの見直し、太陽光発電や蓄電池の導入など。こまめに情報収集を行い、今後電気代がどのように変わるのかを知っておくことも大切です。

以下のページでは電気代の節約術についてまとめています。少しでも節約したい方はぜひ参考にしてください。

関連記事:【100万円減らせる~太陽光発電~】生涯かかる電気代の削減術-まとめページ

執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部

ゆめソーラーマガジンは、福岡・熊本・佐賀の太陽光発電・蓄電池専門店「ゆめソーラー」が運営するオウンドメディアです。太陽光発電・蓄電池に関するノウハウを中心に、再生可能エネルギーや環境に関するお役立ち情報を発信しています。

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