執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部
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この記事では家庭用太陽光発電を導入検討されている方に向けて、家庭用太陽光発電の仕組みや価格のほか、発電量と売電収入、寿命と耐用年数、今後10年間での予想など知っておくべきポイントについて解説していきます。
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目次
家庭用太陽光発電の価格を知るうえで、まずは太陽光発電がどのような構成や仕組みになっているのかを解説していき、そのうえで構成部品ごとの価格の内訳(見積もり)をご紹介していきます。
家庭用太陽光発電は、屋根に取り付けた「太陽光パネル(太陽電池モジュール)」が、太陽の光を浴びることで発電を行うシステムです。
太陽光発電によって発電した電力は直流電流のため、そのままでは家庭内の電力系統に接続したり、売電したりできません。
この直流電流を交流電流に変換する役割を果たすのがパワーコンディショナーです。
そして、家庭用太陽光発電で発電された電力の発電量や売電量や家庭内で使用した電気使用量などは付属のモニターで視覚的に見ることができます。
太陽光発電の容量が増えるほど高額になっていきます。
住宅用太陽光発電システムは、太陽光パネルやパワーコンディショナー、発電量モニターなどによって構成されています。それぞれの価格の内訳は以下の通りです。
太陽光パネル(太陽電池モジュール)の価格は各メーカーのカタログにも掲載されています。
しかしながらカタログに掲載されている金額は購入する際の参考にもならないもので大変高い金額が掲載されています。この金額はあくまで定価であり宛てにしてはいけません。
見積書は大抵の場合、大幅な「値引き」によって価格が調整されます。
その値引きは部材費の他、工事費や運搬費等を含めたトータルの金額に対して値引きが行われるため、太陽光パネル単体に対する正確な相場を出すのは難しいのです。
パワーコンディショナーの価格は搭載する容量によって大幅に異なります。
パワーコンディショナーはインターネット店舗などで単体販売されているケースも多いため、相場が比較的わかりやすい商品です。
太陽光発電の発電量を視認することができる発電量モニターは10万円程度が定価となっていますが、発電量モニターに関してもタイプは様々あり、さらには太陽光モジュールと同様に大幅な「値引き」によって価格が調整されるため、正確な相場を出すのが難しくなっています。
上記の機器のほかに、ケーブル費用や接続箱(太陽光発電の直流電気を集める機器)で、「約4万円」程度が必要になります。
この金額は割引前の価格であるため、見積書で提示される金額はこれより安くなるかもしれません。
一般的な住宅用太陽光発電5kW程度の太陽光発電の工事費は約30万円となっています。
この金額も割引の対象となるため、実際にはさらに安い価格が提示されることもあるでしょう。
家庭用太陽光発電で発電できた電気の量を「発電量」と呼びます。
この発電量は、売電によって得られる利益である「売電収入」を導き出す上でとても重要です。
家庭用太陽光発電の「発電量」は、主に下記の条件によって左右されます。
太陽光発電を設置前に、太陽光発電業者に相談することで、あらかじめ長期間の発電量をシミュレーションすることが可能ですので参考にしてみましょう。
売電収入は以下の式で導き出すことができます。
売電収入=売電単価×売電量
発電した電力を自家消費して余った電力を売電する余剰買取方式であれば、売電量は以下の式で表せられます。
売電量=発電量-自家消費量
一方で発電した電力をすべて売電する全量買取方式であれば売電量は以下の式で表せられます。
売電量=発電量
いずれにしても発電量が多ければ多いほど、売電収入も多くなる計算になります。
たとえば2024年度に住宅用太陽光発電を設置したケースで考えてみましょう。
5kWの太陽光発電システムで年間およそ5,500kWhの発電量が見込まれます。
住宅用太陽光発電の場合、発電した電力はまず優先して自家消費されます。ここでは発電した電力の20%となる1,100kWhの電力が自家消費されたとします。すると売電量は余った4,400kWhとなります。
すなわち予想される年間の収入は以下のようになります。
家庭用太陽光発電パネルの寿命は正確にわかってはいません。
というのも、家庭用太陽光発電が普及しはじめたのは、固定価格買取制度(余剰電力買取開始)が開始された2009年頃ですので、2019年現在ではまだ10年しか経っていないためです。
ただし、ある程度の目安はあります。
太陽光発電を構成するパワーコンディショナーや発電モニターは他の電化製品と同じように10年~15年程度、太陽光パネルは20年~30年といわれています。実際に1984年から稼働し続けている設備があるほど太陽光発電システムは長寿命といえます。
しかしながら、20年~30年もの長期間の稼働を実現するためには定期的なメンテナンスも必要です。
メンテナンスがあまり必要ないと言われる太陽光発電ですが、業者などに依頼して定期的なメンテナンスを行ったほうが、寿命は長くなりやすいでしょう。
太陽光パネルは、経年劣化により年間で0.27%ずつ発電量が低下していくと言われています。
仮にこの通りに発電量が低下していった場合、10年間で「2.7%」、20年間で「5.4%」、30年間で「8.1%」となり、30年間使ったとしても90%以上を保てることになります。
ただし、何らかの原因で発電量が急激に落ちてしまった場合、保証対象期間を過ぎていたら寿命・耐用年数による故障だと判断したほうが良いかもしれません。
パワーコンディショナーの寿命は太陽光パネルほど長くはなく、約10年程度とされています。
パワーコンディショナーは電子機器ですので、一般的な家電と寿命自体は変わらないのです。
例えば太陽光パネルを30年間使用し続けるとした場合、30年間でパワーコンディショナーは2回買い換える必要が発生するでしょう。
最近では、60平方センチメール程度の小型の太陽光パネルが販売されており、約12,000円程度で購入することが可能です。
この小型の太陽光パネルの出力は50W程度と小規模で、太陽光パネルの他にも発電した電力を家電製品で使用できる電力に変換するためのインバーターの取り付けや、設置するための架台も必要です。
そういった部材費は3万円程度で揃いますが、工事を業者に依頼する場合は工事費用もかかります。
この小型の太陽光パネルは、マンションなどに設置ができなかった太陽光発電システムのデメリットを解消できるため、マンションなどのベランダに設置する人が最近増えているようです。
ベランダに設置して発電を行い、蓄電池などに連結して電気を蓄えたり、電気自動車のバッテリー充電に活用したりできるため、小型とはいえ普通の太陽光発電システムと同じように、電気代の節約に繋げることができます。
また、「シースルー太陽電池パネル」と呼ばれる、ガラスと同じように光を通す太陽光パネルもあります。
この「シースルー太陽電池パネル」が普及すれば、戸建住宅やマンションの窓ガラスが、そのまま太陽光発電システムになるといった未来も夢ではありません。
ここでは、家庭用太陽光発電の注意点について解説していきます。
太陽光発電は、売電収入を得ることを目的とした10kW以上の産業用太陽光発電の場合、厳密には固定資産税の対象となります。
10kW未満の住宅用太陽光発電の場合は、基本的には固定資産税の課税対象外ですが、カーポート太陽光(カーポートに設置するタイプの太陽光発電)などの併用でシステム容量が10kW以上になると、固定資産税の対象となるので注意しましょう。
家庭用太陽光発電を相続する場合でも、当然ですが相続税が発生します。
太陽光発電システムのような動産(不動産以外のすべての財産)を相続する場合の財産価値は、本来であれば中古市場の価格から判断します。
しかし、現状では太陽光初システムにそのような中古市場がないため、購入時の価格から相続税発生までの減価償却費を控除した(引いた)「残存価格」が用いられるのが一般的です。
なお、太陽光発電の減価償却費を計算する場合、定率法が使用されます(償却率0.127)。
たとえば200万円の太陽光発電システムを4年間使用して相続した場合、1年目から4年目までの減価償却費は以下の通りです。
上記の原価化償却費を、購入費用の200万円から引くと、
残存価格………1,161,682円
となります。
最後に、家庭用太陽光発電の今後10年間についてお話をしていきます。
家庭用太陽光発電の売電価格は、年々下落し続けています。
以下は、2009年~2019年までの売電価格の推移です。
売電価格が下がり続けている理由は、太陽光発電システムの設備費用の価格低下や、太陽光発電が十分に普及しつつあることが挙げられます。
もともと売電価格を決定しているFIT(固定価格買取制度)は、太陽光発電の普及が目的だったため、そろそろその役割を終えようとしているのです。
売電価格の低下を受けて、いま注目が集まっている太陽光発電の使い方に「自家消費」があります。
自家消費とは、太陽光発電で創った電気を、自宅の家電などで使用することを指します。
また、太陽光発電単体では電気を貯めておくことはできませんが、蓄電池を導入することで、太陽光発電で創った電気を貯めて、夜間などに使用することができるようになります。
これによって、「エネルギーの自給自足」に限りなく近づくことができるようになるのです。
最近、家庭用蓄電池が注目を浴び始めています。
その理由は、上記でもお話したように、太陽光発電で創った電気を貯めておくことができるためです。
特に2009年度から売電をはじめた人は、2019年度には売電期間である10年間が終了を迎えました(卒FIT)。
卒FITをむかえる人たちは、あたらしく電力会社と売電契約を結び直し8~11円程度で売電をするか、家庭用蓄電池を導入して自家消費に力を入れるか、という選択肢があります。
ただし、現時点では家庭用蓄電池が高額で、5kWh前後の蓄電池でも「90万円程度」はかかってしまいます。
そのため、現在のところ経済効果がほとんど無いことが、普及の妨げにもなっています。
しかしながら、自然災害が猛威を振るう現在、非常用電源として蓄電池が普及してきていることや、補助金が交付されていることもあり蓄電池の需要は増えてきています。
蓄電池の需要の増加とともに低価格の蓄電池も開発されることも十分想定されるため、今後の展開に期待しましょう。
太陽光発電は、現在のところ前述したFIT(固定価格買取制度)によって定められた売電価格の影響で、「発電コストが高い電力」になってしまっています。
これは他の再生可能エネルギーにも言えることで、FIT制度は太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの普及に役立ちましたが、将来的には終了していくことが予想されています。
そして、国は再生可能エネルギーの将来的な主力電源化に向けて、できるだけ発電コストを下げていこうとしているのです。
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家庭用太陽光発電の売電単価は年々下がってきています。
しかしながら設置価格も急激に下がっていることや、災害時の非常用電源、そして電気代高騰に対する対策として新規に太陽光発電を導入する方もますます増えていくでしょう。
国としても2030年にかけて住宅のゼロエネルギー化を推進しており、そこには家庭用太陽光発電は必須とされ、太陽光発電がある生活は他人事とは言えなくなっているのです。
太陽光発電の価格や自宅に最適な機器の選択はインターネットの情報だけでは判断できません。
商品検討の際には必ず地場業者に下見をしてもらい、どの程度の発電量が見込めるのかシミュレーションしてもらい、そして10年20年後の収支計算をしてもらったうえでじっくりと検討してみましょう。
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