執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部
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太陽光発電は、発電容量が10kW未満は住宅用、それ以上は産業用となり、国の固定価格買取制度(FIT法)での取り扱いや売電単価、買取期間、単価算定の基礎となる太陽光発電システムの価格も異なります。
工事費などを含めたシステム設置の出力あたりの初期費用は住宅用のほうが高額ですが、運転維持費は産業用が高くなります。
ここでは、住宅用のシステム価格を中心に、太陽光発電の導入にかかる費用や価格を左右する条件についてご紹介します。
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目次
太陽光発電設備の価格は、中心となる太陽光発電パネルだけでなく、発電された直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナー、発電量モニター、各種ケーブル、据え付け工事費などすべてを含みます。
これらを「システム価格」と呼びます。
システム価格は発電容量だけでなく、メーカーや工事業者によってもさまざまです。まず、導入の際の価格を判断する目安として導入費用の基準を見ておきましょう。
太陽光発電メーカーや据え付け工事業者によって、たくさんの種類の太陽光発電システムが販売されています。
見積価格は3kW~5kWで100万円台から200万円台のものが一般的ですが、そうした価格帯で適正価格を判断することは困難です。
なぜなら一見、初期費用が高くても、長期的に見るとお得になるケースがあるからです。
例えば、同一の屋根に、152万円で4kWのシステムと、129万円で3kWのシステムの2種類が設置可能な場合、初期費用は3kWのほうが割安です。
しかし、売電によって費用の回収を図れることと、太陽光発電設備のメンテナンス費用を考慮すると、高性能な4kWのシステムのほうが数年後の売電総額を考えた際にお得になることが多いのです。
メーカー保証は通常10年ですが、期間内であっても機器の修理・交換のため運転停止期間が生じたり、保証や故障頻度によっては思わぬメンテナンス費用がかかったりする場合があります。
売電は、機器の出力が大きいほど発電量も多くなり、費用回収期間を短縮できます。
初期費用の安さだけで判断しないようにしましょう。
kW単価とは、太陽光発電設備の出力1kWあたりの価格のことで、太陽光発電システムの合計金額を発電出力(kW)で割った値がkW単価となります。
太陽光発電設備のkW単価については、平成25年度まで実施されていた住宅用太陽光発電に対する国の補助金制度で、「補助対象はkW単価50万円以下」という基準が設けられていました。
つまり、システム価格の額にかかわらず、kW単価で補助対象かどうかを決めるという考え方です。
これは悪質な販売業者が不当に高い価格で販売することを防止する目的がありました。
具体的な見積価格の例を挙げます。
A社の見積価格は4kWで152万円、B社は3kWで129万円を提示したとします。
A社の場合、kW単価は152万円÷4kW=38万円、B社は129万円÷3kW=43万円です。
見積価格はA社のほうが高いのですが、kW単価は逆に安くなります。
FIT法の太陽光発電買取価格算定のベースとなった住宅用のkW単価は、平成28年度の場合、37.1万円です。
したがって太陽光発電のシステム価格はkW単価50万円以下で、37万円前後が適正な水準といえるでしょう。
次に太陽光発電システムの設置に必要な費用をお伝えします。
太陽光発電の導入にはさまざまな費用がかかりますが、なかでも、機器などの部材費・設置工事費・諸費用という主に3つの経費が必要で、それらは「三大経費」と呼ばれます。
部材費は、太陽光発電の中心機器である太陽光発電パネル、パワーコンディショナー、接続箱(太陽光発電パネルで発電した電力ケーブルを束ねて、パワーコンディショナーに供給するための盤)、発電量モニター、太陽光発電パネル設置用の架台などが相当します。
売電の際に必要な売電用電力量計は、電力会社から支給されますが、メーターまでの宅内工事は自己負担となります。
設置工事費は、それぞれの機器の据え付けや機器をケーブルで接続するための工事費です。
設置工事は電気工事士が行います。
事業用などの比較的規模の大きな設備の場合、発電した電気を送電線に送るための送配電設備の工事費用を電力会社から請求される場合もあります。
諸費用は、自治体などからの補助金を受けるために必要な事務手続きや電力系統接続のための立ち会い費用などです。
また、固定価格買取制度の事業計画認定(設備認定)を受けるための事務代行料も含まれます。
設備の寿命期間内の費用を考える場合は、定期的に必要な保守費用や万が一の災害のための保険費用および借り入れ金利も必要です。
太陽光発電設備の設置を検討する際に、最初に考慮するのが「太陽光発電で元が取れるかどうか」ではないでしょうか。
ここでは簡単な計算で太陽光発電の投資回収年数を見ていきましょう。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度が改正されたことにより、住宅用太陽光の買取価格は3年先までの価格が公表されるようになりました。
2024年度の買取価格は、1kWh当たり16円です。
太陽光発電設備の設置費用を何年で回収できるかについて、4kWで152万円の太陽光発電設備を設置した場合の回収年数を計算してみます。
太陽光発電による年間発電量は地域によっても異なりますが、ここでは1kWの太陽光発電パネルで年間発電予想量1,000kWhと仮定します。
4kWの発電システムの場合、年間約4,000kWhの発電が可能です。
次に、住宅用の太陽光発電設備で売電した余剰電力分を求めるために、太陽光の発電時間中に自家消費する電力量を計算します。
月平均の消費電力量を350kWh/月とすると、年間の自家消費電力量は350kWh/月×12カ月=4,200kWhです。
このうち太陽光発電パネルが発電している時間帯(日中)に40%消費すると4,200kWh×40%=1,680 kWhとなり、発電した電力のうち自家消費分を引いた残りの2,320kWhが売電電力量となります。
自家消費分の1,680kWhは電力会社から購入しなくて済んだ電気となりますので、これも太陽光による収入とみなします。
買取期間終了後の買取価格は電力会社によって様々です。
例えば東京電力なら8.50円/kWh。
この価格を用いて計算すると、売電による収入は2,320kWh×買取価格8.50円/kWh=19,720円/年となります。
太陽光発電設備を設置した場合の投資回収年数は、10年+6.84年=16.84年となり、約17年で回収できる計算です。
あくまでも参考値ですが、より正確に計算したい場合は、借り入れ金利や期間中の保守費用などを考慮する必要があります。
太陽光発電システムの価格は、設置業者や建物の階数、屋根の形・素材などによっても異なります。
平均的な価格に比べて費用が高くなるケース、逆に安くなるのはどんな場合でしょうか?
階数が3階建て以上の住宅やアパートの場合は、工事費が高くなる傾向があります。
太陽光発電パネルや架台などの機材を搬入するのに費用がかかるためです。
屋根の形状は、寄棟屋根の場合、設置面が多くなるため手間がかかり、こちらも工事費は高くなります。
また、コンクリート造りで屋上面が平らな陸屋根も、太陽光発電パネル設置のために一定の傾斜をつける架台の設置工事が別途必要です。
屋根の素材としては、瓦屋根の場合、パネル設置のために瓦をはがして工事をする必要があるため、こちらも工事費用が高くなります。
太陽光発電を設置しやすい屋根は、設置費用が安く抑えられます。
例えば、切妻屋根のように傾斜が単一で南向きの場合、特に勾配が20~30度の傾斜であれば、太陽光発電パネルの設置に最適で、費用が安くなるでしょう。
屋根材については、スレート瓦のほうが工事費を抑えることができます。
新築の住宅を検討される場合は、太陽光発電を設置することを前提で設計されると良いでしょう。
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太陽光発電システムの価格は、さまざまな機器や設置工事で構成されるため、詳しい知識がなければ費用が適正かどうかを判断しにくいでしょう。
そのため、導入前には1社のみに見積もりを頼むのではなく、複数の設置業者に見積もりを依頼するとともに、専門家や信頼できる業者のシミュレーションを受けた上で、導入の是非を決めることが重要です。
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