SDGs「11.住み続けられるまちづくりを」世界の現状と私たちにできること
あなたの住むまちは「住み続けられるまち」ですか?

国連が2018年に発表したデータによると、2018年現在、世界の人口の半分以上は都市に集まっています。そして2050年には、約70%もの人々が都市に住むと予想されています。

多くの人が集まる都市においては特に自然災害があった場合にいち早く回復でき、快適に過ごせるまちづくりが必要です。

目標11「住み続けられるまちづくりを」

目標11「住み続けられるまちづくりを」
SDGsの目標11は「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」をテーマとし、7個のターゲットから構成されています。

11.1 2030年までに、すべての人々の、適切、安全かつ安価な住宅および基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。

11.2 2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者、および高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。

11.3 2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。

11.4 世界の文化遺産および自然遺産の保全・開発制限取り組みを強化する。

11.5 2030年までに、貧困層および脆弱な立場にある人々の保護に重点を置き、水害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。

11.6 2030年までに、大気質、自治体などによる廃棄物管理への特別な配慮などを通じて、都市部の一人当たり環境影響を軽減する。

11.7 2030年までに、女性・子ども、高齢者および障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。

「強靱(レジリエント)で持続可能な都市」とは?

目標11のテーマとして扱われている「強靱(レジリエント)で持続可能な都市」とは、どんな都市なのでしょうか?

強靭(レジリエント)という言葉は、辞書で次のように説明されています。

しなやかで強いこと。柔軟でねばり強いこと。また、そのさま。

※引用:デジタル大辞泉

ここで言われる強靭は、壊れない強さではなく、すぐに回復できることを指します。
強靭で持続可能な都市とは「自然災害等にあっても、いち早く元の状態に回復できる持続可能な都市」なのです。

なぜ、強靭な街が必要なの?

なぜ、強靭な街が必要なの?
生活の豊かさを求めて、都市で住む人の数は世界中で年々増えています。

2018年には55%(約35億人)が都市部で生活しており、2030年には60%、そして2050年には約70%の人々が都市に集まると言われています。

都市部では、増えた人々の豊かさを維持するために、より多くのエネルギーを消化します。またインフラのさらなる整備も必要です。
人口が多いと、車を利用する人が増え、大気汚染や騒音などへの対策も必要になります。

また、人々が避難や移住を余儀なくされる規模の自然災害が、徐々に増えています。
台風や豪雨、地震、世界的には干ばつや砂漠化などの異常気象による人の移動は、今後も増加すると考えられています。

発展途上国だけでなく、一部の先進国では、すでにインフラの限界が来ています。

将来予想される自然災害等が起きてしまった時、今以上に増える都市人口を抱えながら、いち早く回復できるために、強靭な街が必要なのです。

目標11における日本の課題は「災害に備えたまちづくり」

目標11における日本の課題は「災害に備えたまちづくり」
目標11では、特に「災害に対する回復力(レジリエンス)」をポイントとしています。

そして日本でも「自然災害に備えたまちづくり」が課題となっています。

日本は昔から台風や地震の被害が世界の中でも多く「災害大国」といわれてきました。
そして地球温暖化による異常気象等により、発生頻度は年々増加しています。

また、都市への人口集中も問題となっています。
総務省の調査では、日本の人口の約3割が東京圏(埼玉・千葉・神奈川を含む)に住んでいると報告されており、日本の東京一極集中が問題となっています。

地震などによって公共交通機関が停止し、多くの帰宅困難者が発生しているのをニュースでみたことはありませんか?都市に人口が集中すればするほど、自然災害による被害や混乱も大きくなるのです。

SDGs目標11に対する日本の取り組み

「災害に強いまちづくり」は日本全国の自治体の共通の課題です。

千葉県千葉市では、2019年大型台風による被害を受けた経験から災害に強いまちづくりに力を入れています。

  • 公民館・市立学校等に太陽光発電設備・蓄電池を導入
  • 停電しても通信途絶が起こらない仕組みの構築(携帯電話基地局の電力維持など)
  • 避難所環境の設備
  • 助成金等により、市民への太陽光発電装置の設置を促進

※参考:千葉市 「災害に強いまちづくり制作パッケージ」を策定しました!

災害の被害をゼロにすることは難しいでしょう。
しかし、災害の被害を小さく抑えて、復旧までの時間を縮めることは可能です。

自分の住むまち・地域では、どのような取り組みが行われていますか、ぜひ自治体のホームページなどで確認してみてください。

住み続けられるまちにするために、自分たちにできることとは?

住み続けられるまちにするために、自分たちにできることとは?
「住み続けられるまち」をつくるには、国や自治体、企業などの協力が必要です。
しかし、私たち個人にもできることはあります。

  • 地域活動に積極的に参加する
  • 災害に備えて非常食や飲料水を用意する
  • 再生可能エネルギーを利用する

地域活動に積極的に参加する

災害に備えた対策の一つとして「地域活動に積極的に参加する」ことが挙げられます。
緊急事態の際、助け合える繋がりを持つことは非常に大切です。

実際に災害が起きた際には、ご近所同士の助け合い(共助)によって助かったケースが多くみられます。

都市部では、隣に住んでいる人の顔を知らないなど、地域コミュニティの繋がりの弱さが顕著で、自然災害リスクの一つだと言われています。

地域活動への積極的な参加は、地域の繋がりをつくるのに有効な方法です。
「イベントに参加するのはちょっと…」という方は、よく顔を合わせる人に挨拶するのも良いでしょう。

災害に備えて非常食や飲料水を用意する

災害に備えて、非常食や飲料水を準備しておきましょう。

地震などの際、ライフラインが停まると、水道が利用できず、水の確保が難しくなります。
場合によっては支援物資がすぐに届かないかもしれません。

「備蓄は1週間分の量が望ましい」と言われています。
家族で住んでいる場合は人数分の食料が必要になります。
既に備蓄している方も賞味期限が切れていないかを定期的にチェックし、入れ替えや追加を行いましょう。

避難に備えて、非常用の持ち出しバッグを準備しておくこともおすすめです。
水や食料の他に、救急用具や防寒着などをリュックなどにまとめておきます。

防災グッズはセットにしておき、玄関など取り出しやすい場所にまとめて置いておくと持ち出す際もスムーズです。

再生可能エネルギーを利用する

安心で安全なまちづくりには、自家発電できる再生可能エネルギーの利用も大切です。
再生可能エネルギーには様々な種類がありますが、個人で導入できる「太陽光発電」がおすすめです。

災害時には水道や公共交通機関の停止など、ライフラインが遮断されてしまいます。
中でも多くの人が困るのが「停電」ではないでしょうか。

災害時に停電などが起きても、ソーラーパネルを設置していれば電気を使うことができます。

実際、2018年に発生した北海道胆振東部地震では、家庭用ソーラーパネルを設置している家の約9割では自家発電で電気を使用していたという記録があります。
※停電時の太陽光発電の利用には「自立発電モード」に切り替える必要があります

太陽光発電は天気の良い日中しか発電できませんが、蓄電池や電気自動車がある家庭なら、夜間でも電気を利用できます。災害に備えて太陽光発電を設置する場合は、蓄電池の導入も検討してみてください。

※参考:家庭用蓄電池は必要?そのメリット・デメリットを解説!

まとめ

毎年、地震や台風で日本各地が被害を受けています。
気候変動により、自然災害の発生はますます増えると言われています。

「住む続けられるまちづくり」にするためには、国や自治体の取り組みだけでなく、市民一人ひとりの意識向上が必要です。

自分たちには何ができるのかを考え、できることから始めてみましょう。