蓄電池を値段だけで選ぶと後悔する?!家庭用蓄電池の選び方

2020.10.07

近年、災害に備えて家庭用蓄電池を設置するご家庭が増えてきました。卒FIT需要や訪問販売市場の増加、補助金などの後押しもあり2019年以降は蓄電池需要が著しく高まっています。

家庭用蓄電池は種類が豊富で性能や値段がまちまちです。災害時の非常用電源を目的に蓄電池を購入されるご家庭は、値段だけで蓄電池を選んでしまうと期待した効果が得られずに後悔する可能性があります。

この記事では災害時に活躍できる戸建て住宅向け蓄電池の選び方や蓄電池の相場についてご紹介しています。

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目次

家庭用蓄電池の種類

家庭用蓄電池には大きく分けて①独立型と②系統連系型の2種類があります。独立型蓄電池にはスタンドアロン式やポータブル式など、1万円程度~数十万で購入できます。一方、系統連系型の蓄電池は独立型よりも高価で価格帯もまちまちです。

まずは蓄電池の種類の違いを理解するために家庭用蓄電池の特徴を説明します。

独立型蓄電池

独立型蓄電池は蓄電池本体だけで動作できる蓄電池です。独立型蓄電池は基本的に設置工事が不要です。蓄電池を部屋の片隅に配置するなどして使います。蓄電池の充電は電力会社から電力を購入して行います。一方、放電(蓄電池からの電力の取り出し)は蓄電池本体についている出力端子から行います。

独立型蓄電池は値段が安いことがメリットですが、蓄電池に蓄えられる電力量と充放電出力が価格相応に小さいものが多いです。停電時に電力不足に陥りやすい点や、使える家電製品が限定される点がデメリットです。また、電力系統に接続できないことも欠点といえます。太陽光発電を設置したご家庭の場合、停電時は自立運転機能を使って充電します。ただし自立運転で充電している間は独立型蓄電池では放電ができません。このため停電時に太陽光発電の自立運転で充電を行っている間は電力が使えなくなることもデメリットといえます。

独立型蓄電池は通販サイトや家電専門店で1万円~数十万円で購入できます。災害時にちょっとした予備電源を確保したいご家庭や、将来的にも太陽光発電を設置しないご家庭であれば独立型蓄電池が適しています。独立型蓄電池は安価であることがメリットですが、長期停電には向いていません。長期停電に備えてご家庭で電力を確保されたいかたは系統連系型蓄電池を選びましょう。

系統連系型蓄電池

系統連系型蓄電池は電力送配電会社の電力系統に接続できる蓄電池のことです。太陽光発電を設置するご家庭であれば系統連系型の蓄電池を購入したほうが蓄電池のメリットを最大限に引き出せます。

系統連系型の蓄電池にした場合の主なメリットは以下の通りです。

  • 災害時などの長期停電時も電力を確保できる
  • 製品によっては停電時もエコキュートやIHが使える
  • 自宅全体の電力をまかなえる製品がある
  • 電力の自家消費率を高められる(電気代を削減できる)
  • 売電収入を増やせる
  • 独立型蓄電池と比べて保証期間が長い

などなど。

系統連系型の蓄電池のメリットとデメリットは「蓄電池を太陽光発電と併設するときのデメリットとメリット」で紹介しています。

系統連系型の蓄電池は、蓄電池本体を購入するだけでは機能しません。パワーコンディショナの設置や、設置工事、電気工事などが必要です。様々な性能の機器があり、価格帯も幅広いことが系統連系型蓄電池の特徴です。

次は系統連系できる家庭用蓄電池の価格相場をご紹介します。

家庭用蓄電池の値段

蓄電システム機器の値段:200~350万円

蓄電システムの値段は標準的なもので200万円~350万円程度です。この価格には蓄電池本体費用の他、パワーコンディショナ・エネルギーモニタ・エネルギーコントローラーなどの費用が含まれます。

以前よりも価格は高いものの性能が優れた機器が発売されたことから蓄電池の価格帯は広がりつつあります。そして、値段が安く停電・災害時に十分な効果を得られない蓄電池は人気が下がったことから全体的な価格相場は上がっています。

ちなみに、蓄電池の相場はカタログ等に掲載されているメーカー希望小売価格と比べるとずいぶんと安いです。実際の価格を知りたい方はゆめソーラーにご相談下さい。

蓄電システムの工事費用(標準工事):20~40万円

蓄電池の工事には、現地調査・蓄電池設置・配線工事・パワコン交換工事・基礎工事・系統連系作業・機器設定などが含まれます。蓄電システムの仕様や設置環境によって工事の内容や費用は変わってきます。

比較的割高といえますが、設置後の安心・安全を保障できる工事に必要な経費です。工事費用が相場よりも安い場合は部材や工事に問題がないかを見極める必要があるため、業者選びの際には特に注意が必要です。複数業者で見積を取って比較しましょう。

蓄電地の値段:180万円~290万円

蓄電池の値段は蓄電システムの値段と工事費用を足しておおむね180万円~290万円ほどになります。蓄電池の値段はメーカーや容量、仕様等によって異なります。蓄電池を選ぶ際には後述の“蓄電池選びのポイント”を参考にしてご家庭にあった機器を選びましょう。

蓄電池の保証料:0円~10万円程度

一般的な家庭用蓄電池には10年程度の無償保証がついており、機種によっては有償での延長保証を設けているものがあります。蓄電池を1日1サイクル充放電した場合、10年間だと3,650サイクル充放電することとなります。期待寿命が6,000サイクルなど10年間以上の利用を想定した蓄電池が多いため延長保証に加入する価値は高いです。蓄電池の保証料は0円~10万円程度を見込んでおきましょう。

蓄電池のメンテナンス費用:0~10万円程度

蓄電池のメンテナンス費用は、メーカーではなく販売店が提供してくれるサービス料を示します。基本的には定期点検や不具合時の現地対応は販売店が実施してくれます。蓄電池のメンテナンス費用としては0~10万円程度を見込んでおきましょう。

蓄電池の選び方

家庭用蓄電池は種類が豊富です。ただ単にブランド名が違うだけではなく、性能・特徴などに大きな違いがあります。そして価格帯もまちまちです。専門家に相談しなければ選定が難しい蓄電池ですが、購入の目的や電力の使用状況を把握できればご自宅に適した蓄電池を絞り込むことは難しくはありません。次はどのようにして蓄電池を選んでいくのかをご案内します。

蓄電池購入の目的を明確にする

まずは蓄電池を購入する目的をはっきりとさせましょう。

  • 災害等の停電時でも普段通り生活したい
  • 停電時のちょっとした電気を確保したい
  • 電気代を削減したい
  • 電力の自家消費率を高めたい
  • BCP(事業継続計画)対策をしたい
  • 電力の需給バランスを整えたい など

蓄電池設置の目的をはっきりさせるだけでもご家庭にあった蓄電池は選定できます。

例えば災害時の非常用電源として十分な電力を確保したいのであれば系統連系型の蓄電池を勧めます。

ただし系統連系型蓄電池にもいろいろな種類があります。家庭用蓄電池の選び方のポイントは以下をご覧ください。

蓄電池選びのポイント

停電時にどのくらいの電気を使いたいか

蓄電池の機種によって蓄えられる電力量が異なります。蓄電容量(実効容量)が大きい蓄電池ほど長時間電気を使うことができます。まずは停電時に電気をたっぷり使いたいか、少しだけでいいかは意識しておきましょう。

日ごろどれぐらいの電気を使っているかは、電力会社の明細書や太陽光発電のモニター等で確認することができます。

どの家電製品を蓄電池で動かしたいか

停電時に“冷蔵庫・エアコン・テレビ・照明の電気だけは使い続けたい”など、何の家電を停電時に使いたいかでも選べる蓄電池は変わってきます。

蓄電システムの出力が大きい機器ほど、たくさんの家電を同時に使うことができます。

また、停電時にIHクッキングヒーターや給湯器といった200V機器を使いたい方であれば蓄電池の機種はかなり絞ることができます。オール電化住宅の方は200V家電に対応した蓄電池を選びましょう。

どの部屋で蓄電池の電気を使いたいか

系統連系型の蓄電池は全負荷型/特定負荷型の2種類があります。

全負荷型の蓄電池は停電時に家全体に電気を供給でき、特定負荷はあらかじめ指定した部屋やコンセントでしか使うことができません。

家族のプライバシーを守れることから、蓄電容量が大きい全負荷型の蓄電池が人気です。

太陽光発電(ソーラー発電)の設置容量および発電量

太陽光発電があれば停電時も蓄電池に電気を貯めることができます。どのくらいの電気を蓄電できるかは設置している太陽光発電の容量やご家庭の電力使用量が影響します。

例えば3.65kWの太陽光発電システムを設置しているご家庭の場合、年間予想発電量は3.65kWに1,200hを乗じた4,380kWhとなります。これを1日当たりの発電量に換算すると12kWhです(4,380kWh÷365日)。

発電した電力の一部は自宅で使います。仮に太陽光発電で発電した電力のうち3kWhを昼間に自家消費すると、9kWh余ることになります。余った電力は電力会社に売電するか蓄電池に貯めることとなりますが、停電時は売電ができないため、すべての余剰電力を蓄電池に蓄えるとなると9kWhの容量の蓄電池が必要になります。

ただし1日当たりの発電量12kWhはあくまで平均的な値で、日によっては12kWh以上の発電を行うことも稀ではありません。あくまで蓄電容量を決める目安として、太陽光発電の設置容量もしくは実際の発電量を参考にしましょう。

蓄電システムの種類

蓄電池本体の種類には独立型と系統連系型がありますが、蓄電システムにも種類があります。

  • 単機能型蓄電システム
  • ハイブリッド型蓄電システム
  • トライブリッド型蓄電システム

新規に太陽光発電と蓄電池を同時設置する、もしくはパワーコンディショナを買い替えるのであればハイブリッド型蓄電システムをおすすめできます。さらに電気自動車を所有する・今後購入されるご家庭向けのトライブリッド蓄電システムもあります。

蓄電システムの詳細はゆめソーラーへお問合せください

蓄電池の設置場所

家庭用蓄電池には屋内設置型と屋外設置型があります。機種によって設置場所が指定されているため、設置場所にこだわりがある方は選ぶ機種も一部絞られてしまいます。

また、塩害地域にお住いのご家庭であれば塩害仕様の蓄電池を選びましょう。

まとめ

蓄電池を値段の安さで選んでしまうと、思っていた性能を発揮しないことや、後々ライフスタイルが変わって購入した蓄電池に不満を持つなど後悔をするかもしれません。

蓄電池を購入する際は、ご家族の将来や災害時の具体的なイメージをもち、納得のできる蓄電池を選びましょう。

蓄電池の値段は仕様によってまちまちですが、ご家庭の状況や将来像、蓄電池に求めているものをお伺いすればベストな蓄電池をご案内することができます。

蓄電池を検討されている方はゆめソーラーへお気軽にご相談ください

執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部

ゆめソーラーマガジンは、福岡・熊本・佐賀の太陽光発電・蓄電池専門店「ゆめソーラー」が運営するオウンドメディアです。太陽光発電・蓄電池に関するノウハウを中心に、再生可能エネルギーや環境に関するお役立ち情報を発信しています。

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