知らないと損!蓄電システムのメリット・デメリットや創蓄連携

「台風などで停電が増えているけど、うちは大丈夫かしら…」
「太陽光発電の売電期間が終わってしまう…」

こんなお悩みを抱えていませんか?

上の2つのお悩みは蓄電システムを導入することで同時に解決することができます。

この記事では、注目されている蓄電システムについて、

  • 蓄電システムとは?
  • 蓄電システムのメリット・デメリット
  • ダブル設置(太陽光発電×蓄電池)のメリット
  • 蓄電システムの需要が伸びている背景

などについて、分かりやすく解説していきます。

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目次

蓄電システムとは?

蓄電システムとは、簡単に言ってしまうと

  • 電気を蓄える
  • 蓄えた電気を好きなときに使う

というシステムのことを指します。

蓄電システムは、一般的に「蓄電池」と呼ぶ場合もあります。

蓄電システムを導入していないご家庭の場合、購入するか発電しないかぎり電気を使用することができません。

しかし、蓄電システムを導入しているご家庭であれば蓄えておいた電気を使用することができるため、停電などで電気の購入ができないときや夜間で発電が行えない状況でも電力を使用できるのです。

蓄電システムに電気を蓄える仕組み

蓄電システムに電気を蓄える方法は、基本的に以下の2つです。

電力会社から買った電気を充電

まずは電力会社から購入した電気を充電(蓄電)する方法です。

こちらは最も一般的な蓄電方法と言えます。

発電システムの電気を受電

もうひとつは、太陽光発電やエネファームなどの発電設備によって発電した電気を、蓄電池に貯めていく方法です。

ただし蓄電池のなかには、太陽光発電やエネファームとの接続を行えないタイプも存在しているため注意が必要です。

理解しておきたい蓄電システムのポイント

理解しておきたい蓄電システムのポイントとして、「容量」と「出力」があります。

容量=電気を蓄えられる容量

容量は、電気をどのくらい貯められるかを示しており、単位は「kWh(キロワットアワー)」で表されます。

容量が大きな蓄電池ほど、より多くの電気を貯めておくことができます。

たとえば消費電力が1000W(1.0kW)の家電を蓄電池の電気で動かす場合、

  • 容量3kWhの蓄電池=3時間使用可能
  • 容量6kWhの蓄電池=6時間使用可能
  • 容量10kWhの蓄電池=10時間使用可能

といった具合で、容量が大きいほど、家電をより長い時間うごかすことが可能になります。

出力=一度に使える家電の量

出力は、蓄電システムが一度に動かせる家電の数を表しています。

出力を表す単位としては有効電力kW(キロワット)や皮相電力kVA(キロボルトアンペア)が使用されます。

たとえば、有効電力2kWと有効電力3kWの蓄電池があった場合、3kWの蓄電池のほうがより多くの家電(消費電力の合計が3kW以内)を同時に動かせることになります。

※皮相電力kVA(キロボルトアンペア)は家電を動かすために実際に消費される電力とは異なります
※この皮相電力に力率(実際に電力を使用できる率)を掛け合わせたものが有効電力であり実際に消費される電力kW(キロワット)となります

蓄電システムの主な活用方法

蓄電システムの主な活用方法には、以下の2つが存在します。

「ピークシフト」と「ピークカット」

まず「ピークシフト」と「ピークカット」という使い方です。

こちらは「ピークシフトプラン」という電気料金プランを契約している方には特に有効なのですが、電気料金がアップするピーク時間帯(午後1時~午後4時)の使用電力(購買電力)を減らすために、ピーク時間帯は蓄電池に貯めている電気を使用するというものです。

これによって、ピーク時間帯以外の安い電力で、ピーク時間帯の電力消費をまかなうことができます。

また、「ピークシフト」と「ピークカット」は、夏場の電力不足解消(特定の時間帯に電力消費が集中するのを防ぐ)という社会的な課題にも貢献できます。

※上記のピークシフトプランは東京電力の場合

夜間電力の活用(昼間高く夜安い)

エコキュートを導入しているご家庭は、夜間の電気代が安い「オール電化プラン」に加入していると思います。

夜間の安い電気を蓄電システムに充電しておく設定にして、その電気を昼間に使用することで、夜間の電気料金単価と昼間の電気料金単価の差額分、電気代がお得になります。

こうした使い方をすることで、電気代の削減に役立てることも可能です。

蓄電システムのメリット

ここからは、蓄電システムのメリットについて解説していきます。

災害時の停電に対応できる

蓄電システムがあれば、もしもの災害に見舞われた際、停電が発生しても電気を使用することができます。

蓄電池には家全体に電気を送ることができる「全負荷型」と、あらかじめ指定している一部の部屋やコンセントにのみ電気を送ることができる「特定負荷型」があります。

どちらを選ぶかはライフスタイル等にもよりますが、災害時の停電に備えるという意味で安心なのは、停電しても普段と変わらない生活を送れる「全負荷型」の蓄電システムです。

また、同時に使用できる家電の数や、使用し続けられる時間は「出力」と「容量」で決まります。

「全負荷型」の場合、容量は「5.0kWh」以上あると、合計1kW前後の家電を使用した場合、一晩(5~6時間)程度もたせることができるので安心です。

ただし、蓄電池の電気でまかなえる時間は、使用する家電の消費電力により異なります。

使用する家電を制限すれば、より多くの時間を蓄電池に蓄えた電気で乗り切ることが可能です。

電気代を削減できる

「蓄電システムの主な活用方法」で紹介した通り、「ピークシフトとピークカット」や「夜間電力の活用」を上手に行うことで、電気代を削減することができます。

また、蓄電池によっては「グリーンモード」や「深夜電力活用モード」といった機能がついている機種もあります。

こうしたモードを使用することで、電気代が安い時間帯に充電を行って、昼間の電気代が高い時間帯に自動で放電してくれるので、特に意識することなく節電が行なえます。

電気自動車との相性がいい(V2H)

蓄電システムのなかでも、「V2H」と呼ばれる電気自動車を活用したものが、このところ注目を集めています。

「V2H」は、電気自動車を蓄電池のように使用したり、太陽光発電で創った電気を蓄電池に蓄えたりすることができるシステムのことを指します。

普段は車として使用できることも、普通の蓄電システムとの違いの1つです。

また、「V2H」を実現するためには、V2Hに対応した電気自動車や、V2H用の「EV用パワーコンディショナー」が必要となるため、通常の蓄電池よりコストがかかる傾向にあります。

蓄電システムのデメリット

続いて、蓄電システムのデメリットについて解説していきます。

蓄電容量(使用量)に制限がある

蓄電システムは、蓄電池に貯めておける電気の容量が決まっています。

蓄電池の容量は「kWh(キロワットアワー)」という単位で表されます。

この容量が大きいほど長時間電気を使用することができるため停電時でも安心ですが、容量が大きいほど価格も高くなってしまいます。

一般的に、停電時に一晩(5~6時間)程度の使用を想定するのであれば、容量は少なくとも「5.0kWh」以上あったほうが良いでしょう。(家電の合計消費電力が1kW前後の場合)

電池ユニットが劣化する(蓄電池の寿命)

蓄電システムの肝となる蓄電池も、繰り返し使用することで徐々に劣化していきます。

とはいえ、蓄電池の場合は「故障」する訳ではなく、貯めることができる最大容量が徐々に劣化していってしまいます。

蓄電池(リチウムイオン電池)の寿命は「サイクル回数」で表されるのが一般的です。

「サイクル回数」とは、蓄電池の満充電(容量100%の充電)から完全放電(容量0%の放電)までの回数のことです。

サイクル回数はメーカーごとに異なっており、「サイクル回数5,000回」や「サイクル回数10,000回」といった形で各メーカーから示されています。

蓄電池を設置するスペースが必要

蓄電システムを導入するためには、蓄電池を設置するスペースを確保する必要があります。

蓄電池には屋外に設置する大型で設置工事が必要な「定置型」と、室内に設置できる比較的コンパクトな「コンセント型」の2種類があります。

太陽光発電との連携や、停電時に家全体の電気をバックアップしたいと考えている方は「定置型」を選ぶ必要がありますが、同時に屋外に蓄電池を置くスペースを確保しなくてはいけません。

蓄電池はエアコンの室外機より一回り大きいくらいのサイズになっているため、購入前に十分なスペースがあるか確認しておきましょう(蓄電池のサイズは機種により異なるため、カタログなどでご確認ください)。

太陽光発電×蓄電池のダブル設置でメリット増大!

蓄電池は、太陽光発電と一緒に使うことで、様々な相乗効果によりメリットが増大します。

ここでは、ダブル設置した創蓄連携システムのメリットや補助金などをご紹介していきます。

ダブル設置による創蓄連携システム

創蓄連携システムとは、太陽光発電と蓄電池を同時に設置して、さらに太陽光発電と蓄電池を連携させることを指します。

この際、蓄電池は「系統連系型」というタイプの機種か、創蓄連携システムを導入する必要があります。

創蓄連携システムは、太陽光発電との連携を第一に考えた蓄電システムとなっているため、太陽光発電との無駄のない連携を行いたい場合にオススメです。

創蓄連携システムのメリット

ここでは、創蓄連携システムを導入してダブル設置した場合のメリットを解説します。

夜間や突然の雨でも買電を抑制できる

太陽光発電のみの場合、夜間や雨・雪などの悪天候のときは発電を行うことができません。

そういったとき、蓄電池がない場合は電力会社から電気を購入するしかありませんでした。

蓄電池を導入することで、太陽光発電が発電を行えないときは蓄電池に貯めた電気を使用すれば良いので、電力会社からの買電をさらに減らすことができます。

停電が長引いても安心

蓄電池+太陽光発電なら、災害などで停電が長引いたとしても安心です。

昼間は太陽光発電の電気でまかない、余った電気は蓄電池に充電して夜間に使用することで、電気を消費しすぎたり悪天候が続いたりしない限りは、停電中でも電気が使える生活を送ることができます。

「ハイブリッドパワーコンディショナー」でロス(損失)を軽減

創蓄連携システムには、蓄電池用のパワーコンディショナーと太陽光発電用のパワーコンディショナーの2つの役割を同時に果たす「ハイブリッドパワーコンディショナー」というものが存在しています。

この「ハイブリッドパワーコンディショナー」によって、通常の蓄電池で発生するロス(損失)を抑えることができるので、太陽光発電の電気を蓄電池に貯める際の無駄を軽減することができます。

また、蓄電池のパワーコンディショナーと太陽光発電のパワーコンディショナーが一体となっているので、設置スペースもより小規模で済みます。

新規で太陽光発電と蓄電池を同時購入する方や、パワーコンディショナーの買い替え時の方にその後の蓄電池導入を見据えてハイブリッドパワーコンディショナーを導入する方におすすめです。

増え続けている蓄電システムの需要

2023年度の今、蓄電システムの需要は増え続けています。

それには、以下2つの背景があります。

FIT(太陽光発電の売電制度)の卒業者が続出

ひとつはFIT(固定価格買取制度)の最初の満期を迎える人が、2019年の11月から現れ始めたためです(「卒FIT」あるいは「2019年問題」などとも呼ばれています)。

FITが終了した太陽光発電は、新たな売電単価で売電を行うか、蓄電システムを導入して自家消費(自分の家だけで消費する)にシフトしていくという選択肢があります。

発電した電気を売電するより蓄電池に貯めて夜間に使用することで買う電気が減らせるため、結果的に電気代が削減できます。この観点から、蓄電池の需要は増えてきています。

災害への備え

もうひとつは、近年増えている台風などの災害への備えです。

2019年だけでも多くの巨大台風が日本列島を襲い、多くの家で停電が発生しました。

こうした身近になってきた災害への驚異に備えるためにも、蓄電システムは欠かせない存在になりつつあります。

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まとめ

まとめ

この記事では、蓄電システムの基礎知識やメリット・デメリットなどについて解説してきました。

電気を蓄え、好きな時に電気を使用できる蓄電池を導入することで、災害時の停電への備えや電気代の削減効果など、さまざまなメリットがあることが分かったと思います。

近年、災害による停電が増えている日本において、蓄電池は「一家に一台必要」という時代がもう目前まで迫ってきているのかもしれません。

執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部

ゆめソーラーマガジンは、福岡・佐賀・熊本・鹿児島の太陽光発電・蓄電池専門店「ゆめソーラー」が運営するオウンドメディアです。太陽光発電・蓄電池に関するノウハウを中心に、再生可能エネルギーや環境に関するお役立ち情報を発信しています。|SNSで情報発信中!▶公式Instagram

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