家計の支出には毎月支払いのある固定費と、生活スタイルに応じて発生する変動費があります。固定費の中でも存在感のある項目が「水道光熱費」です。
水道光熱費は、生活する上で必要な「ライフラインに直結する費用」であり、支出を完全になくすことはできません。しかし、工夫次第では節約することが可能です。
本記事では水道光熱費の基礎知識から世帯別の平均額、節約ポイントを解説します。
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目次
そもそも水道光熱費とは?
水道光熱費とは、日々の生活で使用する水・火・電気などエネルギーの購入にかかる費用のことです。水道光熱費には、主に水道代・ガス代・電気代の3つが含まれています。
たとえば鍋でお湯を沸かすときは、水道から水を出し、ガスコンロの火やIHクッキングヒーターで温めます。水の使用やガス・電気で加熱ができるのも、水道光熱費を支払ってエネルギーを購入したおかげです。
この水道光熱費は、居住するエリアによって差があります。一般的に都市部が安く、地方部は高い傾向にあります。
水道光熱費にはエネルギーの生産・保管にかかる設備費用や配送費用も含まれており、人口密集地である都市部のほうが1人あたりの負担は少なく済みます。
【世帯別】水道光熱費の1ヶ月あたりの平均額
2023年における、全世帯での水道光熱費の1ヶ月あたりの平均額は19,867円です。
水道光熱費は、世帯人数によっても金額が大きく変動します。金額としては1人暮らしがもっとも安く、世帯人数が増えるごとに金額が高くなりやすい点が特徴です。
以下では、1人暮らしから6人以上までの世帯別に、水道光熱費の1ヶ月あたりの平均額と料金内訳について解説します。
なお、水道光熱費の費用データは、すべて下記のデータを参考に作成しています。
参照:総務省統計局「家計調査 家計収支編 2023年 世帯人員・世帯主の年齢階級別」
1人暮らしの水道光熱費の平均額は13,045円
1人暮らしにおける水道光熱費の1ヶ月あたりの平均額は、13,045円です。
また、内訳は下記の通りです。
水道代 | 2,239円 |
---|---|
電気代 | 6,726円 |
ガス代 | 3,359円 |
他の光熱費 | 720円 |
もっとも高い料金は”電気代”で、水道光熱費の約50%を占めています。
電気は部屋の照明はもちろん、テレビやパソコン、エアコンにも使用するエネルギーです。1人暮らしは電力使用量を減らしにくく、どうしても電気代が高くなります。
2人暮らしの水道光熱費の平均額は21,619円
2人暮らしにおける水道光熱費の1ヶ月あたりの平均額は、21,619円です。1人暮らしのときと比較して、費用の上昇率は約66%となっています。
内訳は下記の通りです。
水道代 | 4,242円 |
---|---|
電気代 | 10,940円 |
ガス代 | 4,971円 |
他の光熱費 | 1,466円 |
水道代は1人暮らしの2倍近くとなりました。お風呂・シャワー・トイレで使用するほか、家事の量が増えることで水の総使用量も増える傾向があります。
3人家族の水道光熱費の平均額は25,082円
3人暮らしにおける水道光熱費の1ヶ月あたりの平均額は、25,082円です。2人暮らしのときと比較して、費用の上昇率は約16%と低く抑えられていることが分かります。
内訳は下記の通りです。
水道代 | 5,366円 |
---|---|
電気代 | 12,811円 |
ガス代 | 5,591円 |
他の光熱費 | 1,314円 |
3人暮らしになると、電気代とガス代の上昇幅は緩やかになります。一方で、水道代とガス代の差が縮小していることも、3人暮らしにおける水道光熱費の特徴です。
夫婦と子ども1人のような世帯構成では、一緒に食事を取り、1つの部屋で過ごす時間も長いことが、電気代とガス代が安い理由と推測できます。
4人家族の水道光熱費の平均額は25,655円
4人暮らしにおける水道光熱費の1ヶ月あたりの平均額は、25,655円です。3人暮らしのときと比較して、費用の上昇率は約2%に留まっています。
内訳は下記の通りです。
水道代 | 6,042円 |
---|---|
電気代 | 13,532円 |
ガス代 | 5,284円 |
他の光熱費 | 797円 |
4人暮らしとなると、水道光熱費に占める水道代の割合は23%を超えることが特徴です。水道代・電気代は増えているものの、3人暮らしに近い金額で抑えられています。
逆にガス代は、3人暮らしと比べて減少している点が特徴です。
5人家族の水道光熱費の平均額は27,100円
5人暮らしにおける水道光熱費の1ヶ月あたりの平均額は、27,100円です。4人暮らしのときと比較して、費用の上昇率は約6%となります。
内訳は下記の通りです。
水道代 | 6,706円 |
---|---|
電気代 | 14,373円 |
ガス代 | 5,131円 |
他の光熱費 | 889円 |
5人暮らしになると、ガス代は4人暮らしの時より減少していますが、水道代は変わらず上昇しています。
したがって、ガス代は3人家族以上から変動が少なく、水道代は人数が増えるに比例して増加する傾向が見られます。
6人家族の水道光熱費の平均額は35,360円
6人以上の世帯における水道光熱費の1ヶ月あたりの平均額は、35,360円です。父母・祖父母と同居しているなどの大家族では、世帯人数に応じて水道光熱費が高くなります。
内訳は下記の通りです。
水道代 | 8,884円 |
---|---|
電気代 | 18,941円 |
ガス代 | 5,469円 |
他の光熱費 | 2,066円 |
6人以上の世帯では、水道代・電気代が高くなります。電気代はこれまでと同様に、水道光熱費の50%以上を占めていることが特徴です。
世帯人数が6人以上になると、1つの部屋で一緒に過ごすことも減り、それぞれの私室で過ごす時間が増えるでしょう。すると各部屋の電力使用量も増えて、電気代が高くなります。
どうして?水道光熱費が高くなる理由とは
水道光熱費が高くなる理由は、いくつかの原因が考えられます。以下では水道光熱費に含まれる料金ごとに、それぞれ原因を解説します。
水道代が高くなる原因
水道代が高い場合は、以下のような原因が考えられます。
- 洗濯をする回数が多い
- 水を出したままにしている
洗濯をする回数が多い
衣類別で1日に何度も洗濯をするなど、洗濯の回数が多い場合は、水道代が高くなります。
汚れた衣類を溜めることが嫌で、何度も洗濯を回している方もいるでしょう。
こまめに洗濯することで清潔な状態を保てますが、まとめて洗う場合より水を使用するため、水道代は高くなってしまいます。
水を出したままにしている
日常で水を使う場面は多くあります。水を出したまま使用し続けると、当然ですが水道代は高くなります。
たとえば、以下の状況などが当てはまるのではないでしょうか。
- 食器洗いで水を出しっぱなしにしている
- 歯磨き時のうがいで水を出しっぱなしにしている
- お風呂でシャワーを浴び続けている
水がもったいないと思いつつ、蛇口を閉める手間を惜しんで、つい水を出したままにすることが考えられます。
ガス代が高くなる原因
ガス代が高い場合は、以下のような原因が考えられます。
- キッチンでのガス使用量が多い
- 追い炊きを頻繁にしている
キッチンでのガス使用量が多い
キッチンで必要以上にガスを使用している場合は、ガス代が高くなります。
たとえば、熱伝導率の悪いフライパンや鍋を使うと、食材に火が通るまで時間がかかり、ガスの使用時間が伸びます。すると比例してガス代が高くなるわけです。
また、料理の回数が多い場合も同様に、ガス代が高くなる傾向にあります。とくにご家族の人数が多い場合や、毎食手作りするご家庭はガス代も高くなります。
追い炊きを頻繁にしている
お風呂の追い炊きを頻繁におこなうと、ガス代が高くなります。
ご家族が多い場合、それぞれの生活リズムに合わせたタイミングでお風呂に入ることがあるでしょう。
その都度、湯船を温めなおしている場合、ガスを使用する回数も増えて、ガス代が高くなる原因となります。
電気代が高くなる原因
電気代が高い場合は、以下のような原因が考えられます。
- 古い型の家電を使用している
- 消費電力が大きい家電を使用している
- 待機電力をそのままにしている
- 電力料金プランが最適ではない
古い型の家電を使用している
使用している家電が古い場合、電気代が高くなる可能性があります。
家電の消費電力は、古い型よりも新しい型の方が少ない傾向です。たとえば、省エネモードが標準搭載されている機器などが当てはまります。
「まだ使えるから」と古い家電を使用している場合、想像よりも電気代が発生しているかもしれません。
消費電力が大きい家電を使用している
消費電力が大きい家電を使用していると、当然のように電気代は高くなります。
たとえば炊飯器や洗濯機など、1人暮らし用とファミリー用で明らかに消費電力量が変わります。
家族が増えたり、子供の成長に合わせて大きなサイズに買い替えると、電気代も高くなるでしょう。
待機電力をそのままにしている
多くの家電は、プラグをコンセントに差し込んでいる状態で発生する”待機電力”を消費しています。
待機電力をそのままにしていると、当然ですが電気代は高くなります。
たとえば、「見ていないのにテレビをつけている」「使わない家電のプラグまでコンセントに挿している」などが、待機電力を発生させる原因です。
電力料金プランが最適ではない
電気料金プランがライフスタイルと合っていない場合、電気代が高くなる可能性があります。
たとえば、「家族が増えた」「転職して家にいる時間帯が変わった」など、ライフスタイルが大きく変化した際に考えられます。
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おすすめの水道光熱費を節約する方法10選
水道代・ガス代・電気代をそれぞれ節約することで、水道光熱費を抑えることができます。以下では、具体的な節約方法についてそれぞれ解説します。
水道代を節約する方法4選
水道代の節約方法は以下4つをご紹介します。
- キッチンの水道代を節約する方法
- 洗濯機の水道代を節約する方法
- お風呂の水道代を節約する方法
- トイレの水道代の節約方法
キッチンの水道代を節約する方法
食器の洗い方を見直すことで、水道代の節約につながります。
たとえば、油やこげなどの頑固な汚れは先に落としましょう。洗ってすすぐまでの時間を短縮できるため、洗剤や水を節約できます。
また、洗い桶を活用して水の流しっぱなしを防ぐことも効果的です。先にすべて洗って桶にためることで、余計な水を使わずに、水道代の節約となります。
さらに食洗器を使うと、手洗いに比べ少ない水量で洗い流すことができます。
資源エネルギー庁によると、手洗いより食洗器を使うことで、年間で約36.65㎥の水道代を節約できるようです。これは年間で約9,530円の水道代の節約となります。
※実際は食洗器の電気代が発生するため、あくまで水道代のみの節約額です
参照:資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約 食器洗い乾燥機|
洗濯機の水道代を節約する方法
洗濯回数を減らすと、水道代を節約できます。
たとえば、少ない量の洗濯物を何回も洗っている方は、2日に1回ペースにしてまとめて洗うなど工夫してみましょう。
ただし、洗濯回数を減らすために1回の洗濯量を増やし過ぎないようにしてください。
いちどに多くの衣類を洗濯すると、汚れ落ちが悪くなる、故障につながるなどのリスクが高まります。目安として「洗濯槽の約8割を上限とする」など、ご自身でルールを決めて効率よく水道代を削減しましょう。
資源エネルギー庁によると、洗濯物をまとめて洗うことで、年間で約16.75㎥の水道代を節約できるようです。これは年間で約4,360円の水道代の節約となります。
お風呂の水道代を節約する方法
お風呂の使い方を見直すと、水道代を節約できます。
手軽に節水したい場合は、シャワーヘッドを節水対応のものに交換しましょう。シャワーの水圧を変えずに、水の出る量を減らせるため、普段通りシャワーを使っても無理なく節水できます。
また2人以上の世帯では、可能なかぎり湯船にお湯を張り、シャワーの使用は控えましょう。シャワーは1分間につき、約12Lのお湯が流れます。
たとえば、4人家族でそれぞれが4分ずつシャワーを流し続けると、約192L近くのお湯が使われます。
これは一般的な浴槽にお湯を張る量(約200L)と同程度のお湯を消費していることになります。
資源エネルギー庁によると、シャワーの時間を1日1分短くすることで、年間で約4.38㎥の水を節約できるようです。これは年間で約1,140円の水道代の節約となります。
トイレの水道代の節約方法
細かい部分ですが、トイレの使い方を見直すと、水道代の節約につながります。
具体的に、流す際は「大」と「小」を分けて使いましょう。大の場合は洗浄に使う水量が多く、その分だけ水道代が高くなります。
必要な水量に応じて、「大」と「小」を使い分け、1回で流れるように調整しましょう。
タンク式のトイレであれば、排水量を調節するグッズもあるため、活用するか検討してみましょう。
ガス代を節約する方法3選
次にガス代を節約する方法を3つご紹介します。
- 台所でのガス代を節約する方法
- 風呂場でのガス代を節約する方法
- 料金プランを見直してガス代を節約する
台所でのガス代を節約する方法
調理器具を熱伝導率の高いものに変えることで、ガス代を節約できます。
熱伝導率の高い鍋やフライパンを使うと、効率よく熱を伝え、ガスの使用時間を削減できるためです。
ガスの使用時間を減らすとガス代も減らせるため、時間のかかる煮物などは圧力鍋を使って調理時間を短くするなど、調理器具での工夫が大切になります。
また、使用する火の強さによっても、ガス料金は変動します。調理時は「強火」ではなく「中火」の方が、ガス代を節約できます。
さらに、電子レンジや電気ケトルなどの電化製品を併用することも、ガス代の削減に効果的です。代わりに電気代は増えますが、ご家庭によってはトータルでおトクになる場合があります。
電子レンジの併用やキッチンツールの活用方法は、以下の記事で紹介しているためぜひご参照ください。
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風呂場でのガス代を節約する方法
お湯の沸き上がり温度を、あらかじめ低く設定することで、ガス代を節約できます。これは給湯時のみならず、台所でお湯を扱う際にも節約になるため効果的です。
また、湯船にお湯を張る際は「蓋をする」「保温シートで表面を覆う」など、熱を逃がさない工夫をしましょう。湯船内の急激な温度低下を防ぐことで、追い炊きの回数を減らすことができます。
ご家族の人数が多いご家庭では、お風呂に入る間隔を空けないことで、追い炊きの回数を減らせます。
料金プランを見直してガス代を節約する
契約している料金プランを見直すことで、ガス代の削減につながる場合があります。
ご家庭によってライフスタイルが様々で、使用料や使用時間が異なるためです。
現在は「電気とガスが1つになった料金プラン」や「ガス自由化に伴う事業者単位での切り替え」など、以前より選べる選択肢は増えました。
まず現在の使用状況と料金プランを見直すことで、適切な判断ができるようになります。よりご家庭に合うおトクなプランや事業者に切り替えることも、ガス代を削減するためにおすすめです。
電気代を節約する方法3選
電気代を節約する方法について、以下3つをご紹介します。
- 家電の使い方を見直す
- 新しい家電に買い替える
- 太陽光発電を設置する
家電の使い方を見直す
日常で多く使う電化製品では待機電力が発生しています。この待機電力を減らすことで、電気代を削減することが可能です。
具体的には「コンセントをこまめに抜く」「主電源を切る」などを行いましょう。
また、夏と冬に使用機会の多いエアコンも、電気代が上昇する一つの要因です。とはいえ、エアコンは設定温度を見直すだけで、電気代の削減につながります。
エアコンの電気代を削減する方法は、以下の記事にまとめていますのでぜひご参照ください。
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新しい家電に買い替える
エネルギー効率の高い省エネ家電に買い替えることで、電気代の節約につながります。
環境省によると、最新の冷蔵庫と10年前のものを比較した結果、消費電力が約37%~43%ほど省エネになったようです。
これは年間の電気代を約4,740円〜6,090円ほど節約できる計算です。
同様に最新のエアコンと10年前のものを比較した結果、約12%ほどの省エネ効果が確認されています。年間の電気代を約2,920円ほど節約できる計算です。
参照:環境省「2020年 VS 2010年 最新家電と10年前の家電どのくらいおトク?」
このように、新しい家電に買い替えることで、電気代を削減することが可能です。ご家庭の製品や使用状況に応じて、「買い替える」という選択も検討しましょう。
太陽光発電を設置する
太陽光発電とは、太陽光のエネルギーを利用して発電するシステムのことです。住宅の屋根やカーポートに設置する太陽光パネルがよく知られています。
太陽光発電で発電した電気は、家庭内の電力として使えるため、電気代を節約できる点がメリットです。また余った電気は電力会社に売ることができ、太陽光発電によって利益を生みだすことも可能です。
ただし、ご自宅によって設置できる「パネルの枚数」や「発電量」が異なるため、ご検討される際は専門店で相談することをおすすめします。
ゆめソーラーは各エリアごとに店舗を構えていますので、お気軽にご相談ください。
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まとめ
水道光熱費は生活に必須の支出であり、完全になくすことはできません。しかし、紹介した節約方法を実践することで、減らすことは可能です。
また、水道光熱費の50%ほどを占める「電気代」を減らしたい方には「太陽光発電」がおすすめです。
設置には専門知識が必須のため、いちど無料シミュレーションでご自宅に設置すべきかをご検討ください。
かしこく水道光熱費を節約して、ゆとりのある暮らしを実現していきましょう。
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