SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」とは?

2024.10.29

スイッチを入れればライトが付き、寒さを感じれば暖房に電源を入れる。日本に住む私たちにとって、電気のある生活は当たり前です。

しかし、世界には7.9億人もの人々が電気のない生活を送っています。

この記事ではSDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」について、世界のエネルギー不足や影響、私たちにできることを解説します。

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目次

目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」

目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」


SDGsの目標7のテーマは「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」で、5個のターゲットから構成されています。

  • 7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
  • 7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
  • 7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
  • 7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
  • 7.b 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。

国際エネルギー機関(IEA)のレポートによると、世界のエネルギー需要は2040年までに毎年1.3%ずつ増加、2040年のエネルギー消費量は2014年の約1.3倍といわれています。

目標7のエネルギーとは「再生可能エネルギー」

目標7のエネルギーとは「再生可能エネルギー」


化石燃料はエネルギーを作り出す際、多くの二酸化炭素を発生させます。二酸化炭素は温室効果ガスの中で最も影響力が高く、その割合は温室効果ガス総排出量の4分の3を占めています。

そこで注目されているのが「再生可能エネルギー」です。再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず、エネルギー安全保証にも寄与できるエネルギー源のこと。

日本は石油資源に乏しく、化石燃料のほとんどを海外から輸入しています。しかし、再生可能エネルギーは日本国内でも生産可能なので、エネルギー自給率の向上にも期待できるでしょう。

再生可能エネルギーとは具体的に以下のものが挙げられます。

  • 太陽光発電
  • 風力発電
  • バイオマス
  • 水力発電
  • 地熱発電
  • 太陽熱利用
  • 雪氷熱利用
  • 温度差熱利用
  • 地中熱利用

他にも、地熱や空気熱、海流のエネルギーを利用した潮流発電なども研究が進められています。

注目の再生可能エネルギーは太陽光発電

数ある再生可能エネルギーの中でいま、もっとも注目されているのが「太陽光発電」です。

太陽光発電を設置しているご家庭では、災害時や停電時にも電気を使用できます。地震や台風など自然災害の多い日本にとって、太陽光発電はメリットの大きい再生可能エネルギーなのです。

国際エネルギー機関(IEA)のWorld Energy Outlook 2020では「太陽光発電は新たな王となる」と記載されており、今後も世界中で拡大すると見込まれています。

東京都では、都内の新築住宅に太陽光発電設備の設置義務が検討されています。また太陽光発電による電気を蓄える蓄電池を住宅に設置する際、機器費用の半額を補助する制度も導入しています。

参考:日本経済新聞 小池知事、太陽光発電「新築住宅への設置義務化を検討」

太陽光発電は設置費用がかかるものの、電気代削減や売電による収入獲得、災害対策や断熱効果による快適さなどのメリットが多いため、導入する家庭は増えています。

世界の電力不足問題

世界の電力不足問題


全世界で、電気を利用できるのは90%の人々です(2018年時点)。2010年では83%だったため、約10年で10%(10億人)以上が電気を使って生活するようになったことになります。

しかし、サハラ以南のアフリカや東南アジアでは依然として多くの人々が電気のない暮らしを送っています。
中でも農村部ではエネルギー不足が深刻で、電気のない暮らしを送る7.9億人のうち85%は農村で暮らす人々です。

参考:The Sustainable Development Goals 2020(UN)

将来起きると予想されているエネルギー不足も問題です。現在は石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料によるエネルギーが主流で、私たちの生活になくてはならない存在となっています。

しかし化石燃料は、いつまでも存在し続けるものではありません。石油や天然ガスは50年、ウランは115年、石炭は132年分しか残されていないと予想されています。

参考:日本原子力文化財団 エネ百科「原子力・エネルギー図面集」

電気が使えないことによる影響とは

未電力化は、主に3分野に影響を及ぼします。

  • 教育
  • 産業
  • 環境

電気のない地域・国では、木材を燃やして明かりをつけて暖を取りますが、その木材の調達は主に子どもや女性の仕事です。木材だけでなく、水汲みも行う場合が多く、子どもたちには学校に行くための時間がありません。教育を受けられないと、将来安定した職を手に入れにくく、貧困に陥る可能性が高くなるのです。

産業の発達にもエネルギーは不可欠です。エネルギー不足の発生している地域・国の主な産業は、農産物や魚類を加工せずそのまま販売する一次産業です。作物などの加工や保存環境が整っていないために、経済発展が遅れてしまうなどの影響があります。

木材を燃やしてエネルギーを確保するため、森林伐採の促進なども考えられます。

ボツワナの農村部では、電気が使えないことによる森林伐採が問題となっていました。現在は国連開発計画(UNDP)とボツワナ政府、現地コミュニティが連携し、太陽光発電の普及を行い、二酸化炭素排出量の削減と森林伐採の抑制を行っています。

このような未電力化による環境破壊は、世界各地で起きているのです。

目標7達成のために私たちにできること

目標7達成のために私たちにできること


目標7「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」のために私たちにできることは2つあります。

  1. 車ではなく徒歩や自転車、公共交通機関を使う
  2. 環境に優しいエネルギーに変更する

車ではなく徒歩や自転車、公共交通機関を使う

クリーンな地球にするためには、二酸化炭素の排出量を減らす必要があります。

自動車は鉄道やバスに比べて多くのエネルギーを消費するため、移動手段を公共交通機関や自転車に変えるだけで二酸化炭素の排出を抑えることができます。

もし自動車を使用する場合は、アイドリングストップや急発進・減速など、省エネ運転を心がけることが大切です。新車購入時には、電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車、グリーンディーゼル車などの次世代自動車の選択肢もあります。

環境に優しいエネルギーに変更する

日本では2016年より、家庭で使う電力会社を消費者が自由に選べるようになりました。発電方法に再生可能エネルギーを使用している会社は年々増えており、再生可能エネルギーを起源とした電力を提供する会社も存在します。

電力会社を変えても、停電が増えたり電気の質が変わったりすることはありませんので安心してください。家に太陽光発電の設備を設置し、自家発電するのもおすすめです。

いままで電力会社から購入していた電気を自宅で発電できるので、電気代を節約できます。太陽光発電で余った電力は、10年間は市場価格よりも高い固定単価で電力会社が買い取ってくれます。

日本では家庭での二酸化炭素排出の半分が電化製品によるものと言われています。一人ひとりでの影響は少ないかもしれませんが、日本中の家庭が再生可能エネルギーにシフトすれば、大きな影響を与えることができるでしょう。

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まとめ

節電や再生可能エネルギーの利用は、地球温暖化抑制のためには必要不可欠です。

電気を使わずに生活するのは難しいですが、生活の中で無駄なエネルギーを使っていないかを見直し、家庭の電気を再生可能エネルギーに変更するのは簡単にできます。中でも太陽光発電は世界的にも注目されており、家庭で発電できる唯一の設備です。

地球に優しい暮らしのために、太陽光発電の導入を検討してみてはいかがでしょうか?クリーンなエネルギーを選択し、将来の地球を守りましょう。

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※九州において 調査機関:株式会社Acorn Marketing & Research Consultants Japan 調査期間:2024年1月

執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部

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