執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部
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太陽光発電の普及率が上がる一方で、売電価格は少しずつ低下しています。その対策の1つとして注目されているのが「過積載」という方法です。
運用ルールが細かく規制された太陽光発電において、発電量をアップできる過積載は大きな売電収入を生み出す方法として人気です。
今回は、太陽光発電の過積載について仕組みや導入時の注意点をご紹介します。
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目次
固定価格買取制度の買取価格低下に伴い、従来と発電量は変わらないのに売電収入が減少しています。
そこで、少しでも発電量を増加させて売電収入を上げるための方法の1つとして「過積載」が行われています。
太陽光発電における過積載とは、太陽光パネルの合計出力をパワーコンディショナーの合計出力よりも大きく増やし、発電量をアップさせる設置方法です。
過積載をした場合、朝夕の日照が弱い時間帯や天気の良くない日でも、太陽光パネルの容量が大きいため、パワーコンディショナーの容量に近い発電量を保つことができます。
通常の太陽光パネルの設置方法では、パワーコンディショナーの容量に収まる分だけの太陽光パネルを設置しますが、過積載の場合はパワーコンディショナーの定格出力以上の太陽光パネルを接続して発電量を補っています。
例えば、通常10kWのパワーコンディショナーには合計10kW以下の太陽光パネルしか接続しませんが、過積載の設置方法では、例えば10kWのパワーコンディショナーに12kW分の太陽光パネルを接続することで発電量を増加させています。
太陽光発電の発電量は、太陽光パネルの枚数と出力に比例します。
そのため、太陽光パネルを増やすことで発電量も増加させることができるのです。
では、なぜ過積載で発電量を増やすことができるのか、売電収入がアップする過積載の仕組みについて見ていきましょう。
太陽光発電は、天気や日射量により発電量が左右されるため、太陽が出ていても朝や夕方になると発電量が低下してしまいます。
そこで、太陽光パネルの枚数を増やして朝夕の発電量を上げることで、全体の発電量を底上げします。
日射量が少ない午前中や夕方の発電量をアップさせることで、1日を通して安定した発電量を保つことができます。
これまでパワーコンディショナーの定格出力以下しか太陽光パネルを設置していなかったのは、パワーコンディショナーのピークカットラインに最大出力を合わせていたからです。
ピークカットとは、パワーコンディショナーに搭載されている一般的な機能で、系統連系に契約以上の電力が流れないよう上限値を超えた電力を捨てる仕組みです。
過積載をしていない場合でも、発電量が多すぎるとピークカットされることがあります。
せっかく発電した電力をカットされるので利益が減ったように感じますが、それでも1日の発電量自体は上がっているため、トータルの売電収入はアップするでしょう。
過積載は、発電量を増やすだけでなく、コストパフォーマンスにも優れています。
朝夕の発電量が上がることでパワーコンディショナーの稼働時間が長くなるため、費用負担が分散されるからです。
また、産業用太陽光発電の場合、低圧電力の範囲内で発電量を増加させることが可能です。
電力には「高圧電力」と「低圧電力」があり、50kW以上の大口利用者は高圧電力契約が必要となります。
しかし、50kW未満のパワーコンディショナーを設置し、80kW分の太陽光パネルを接続することで、50kW未満の低圧電力のまま売電収入を増やすことができます。
太陽光発電は環境への配慮はもちろん、売電することで経済的なメリットがあります。
では、産業用太陽光発電を導入するメリットには、どんなものがあるのでしょうか。低圧・高圧をそれぞれ比較してみましょう。
太陽光発電で特に費用がかかるのが、太陽光パネルの設置です。
過積載は太陽光パネルの枚数を増やす必要があるため、初期費用が増加します。ピークカットで発生する電力ロスと太陽光パネルの追加費用が発電量とつり合わなければ、過積載にする意味がありません。
どのくらいの枚数の太陽光パネルが適正なのか、しっかりシミュレーションしておくことが大切です。
過積載で注意しておきたいのが、パワーコンディショナーのメーカー保証や対応です。
メーカー保証は通常、パワーコンディショナーの1.2~1.3倍程度の過積載にしか対応していません。
しかし、なかには2倍程度まで保証をしているメーカーや一定の過積載まで保証対象としているパワーコンディショナーもあります。事前に、どの程度までの過積載なら保証対象となるのか確認しましょう。
過積載により発電出力の変更があった場合には、設備認定を変更する「再生可能エネルギー発電設備軽微変更届出書」を経済産業局へ提出する必要があります。
また、供給方法や計測方法、メンテナンス体制などに大きな変更がある場合は、「再生可能エネルギー発電設備変更認定申請書」を提出しなければなりません。
過積載は、発電量の増加とともに売電量も増やせるため、売電価格低下の対策として大きな効果があります。
しかし、太陽光パネルを増やすにはコストがかかりますので、どのくらいの過積載をすれば最もメリットが出るのか、そのポイントを見極めておくことが大切です。
事前にシミュレーションをして、どれほどの費用対効果があるのか確認しておきましょう。
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