家庭用ソーラーパネルのメリット・デメリットとは?

ここ最近、家庭用ソーラーパネルを設置している住宅が増えています。太陽光発電には必須の家庭用ソーラーパネルですが、設置することのメリットやデメリットについては詳しく把握されていない方もいらっしゃるかと思います。

この記事では、家庭用ソーラーパネルのメリット・デメリットについて解説します。

目次

家庭用ソーラーパネルとは?

そもそも、家庭用ソーラーパネルというのはどのようなものなのでしょうか?
ソーラーパネルは、屋根の上などに設置される板状の機器で太陽光発電をするために必要な機器です。ソーラーパネルに太陽光が当たることで、電力が生じます。

ソーラーパネルの発電量は、太陽光発電のシステム容量によって左右されます。屋根が広ければそれだけ多く設置でき、発電量を高めることができます。

また、ソーラーパネルの変換効率も発電量に影響します。ソーラーパネルの変換効率は、太陽エネルギーから作りだすことができる電力の割合を示しています。変換効率が高いほど、ソーラーパネル1枚当たりの発電量は多くなります。

家庭用ソーラーパネルの変換効率には、モジュール変換効率とセル変換効率があります。発電能力の参考として見られるのは、モジュール変換効率です。一般的には、単結晶パネルなら20%、多結晶パネルであれば15%前後です。

家庭用ソーラーパネルのメリットは?

家庭用ソーラーパネルを設置した場合のメリットとしては、どのようなものがあるでしょうか?
メリットについて、具体的に解説します。

光熱費(電気代)を大きく削減!

光熱費を削減できるというのが、家庭用ソーラーパネルを設置する際にまず考えられるメリットでしょう。

家庭用ソーラーパネルを設置して太陽光発電をすることで、これまで電力会社から購入していた電気を自家発電で賄うことができるようになります。
その分、電気代を削減できるのです。

特に今は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、自宅で過ごされる時間が増えているようです。そのため以前より電気代が高額になったという人が増えているようですが、家庭用ソーラーパネルを設置して太陽光発電を導入すればその不安も解消されるでしょう。
なお、太陽光発電で電力を自家消費できるのは太陽が出ている昼間だけです。蓄電池があれば太陽が出ていない悪天候時や夜間の電力も賄うことができます。
とはいえ、電気代が完全にゼロになることはないので、その点には注意してください。

余剰電力を貯めたり売ったりできる

ソーラーパネルで発電した電力は自家消費することで電気代を削減できます。また、自家消費しきれず余った電力(余剰電力)は電力会社に売ることができます。

電力会社に余剰電力を売ることを、売電と言います。
売電をすることで、家庭用ソーラーパネルをはじめとした太陽光発電設備の設置費用を回収しているのです。

また余剰電力は蓄電池があれば貯めておくことができます。
発電量が少ない時や夜間などに貯めた余剰電力を使用して電気代を削減することができるのです。

自立運転機能で災害・停電時も電力が使える

災害時に困ることの一つとして、停電があります。
最近では、2018年に起こった北海道胆振東部地震でブラックアウトと呼ばれる大規模な停電が発生しています。
北海道の電力会社の管轄地域全域に及ぶほどの停電が起こったのです。

そのほとんどの地域での停電が回復したのは、停電が生じてからおよそ2日後です。
しかし、停電の間も家庭用ソーラーパネルを設置している家では電気を使うことができました。
太陽光発電のパワーコンディショナーには自立運転機能があるので、停電時でも電気を使えるのです。

北海道胆振東部地震の際は、家庭用ソーラーパネルを設置している家のうち約9割の家では、自立運転機能を使用したそうです。

電力への関心が高まり、省エネ意識が向上する

普段なんとなく使用している電力も、自宅で発電できるとなると関心を持つ人が多いようです。

発電できた分だけで電力をすべて賄うにはどうしたらいいのか、余剰電力をより多く残して売電収入を増やすにはどのような工夫が必要となるのか、といったことも考えるでしょう。こうして、省エネの意識が向上していくのです。

自分で考えて、省エネに取り組むようになるというのも家庭用ソーラーパネルを設置する大きなメリットです。

家庭用ソーラーパネルのデメリットは?

家庭用ソーラーパネルを設置することには、デメリットもあります。
デメリットについても、具体的に解説していきます。

設置費用が高額

家庭用ソーラーパネルの設置費用は、安いものではありません。
ほとんどのケースで、100万円以上かかるでしょう。
相場としては、5kWの太陽光発電システムを導入する費用は、137.5万円が相場とされています。

設置費用は、徐々に下がってきています。
しかし、誰でも気軽に出せる金額ではありません。
設置費用をなるべく安くするには、家庭用ソーラーパネル専用のローンを利用する方法や、地方自治体によっては補助金が出されているのでそれを利用する方法、海外メーカーなどなるべく安いメーカーのものを選ぶ方法などがあります。

太陽光発電システムは長年使用することで電気代削減効果と売電収入によって設置費用以上の経済効果をもたらしてくれます。

しかし太陽光発電の業者の中には相場価格を100万円以上上回る価格で販売する会社もあり、設置業者を誤ってしまうと設置費用の元を取るのに何十年とかかる場合があります。太陽光発電の販売業者の選択は慎重に行いましょう。

メンテナンスが必要

家庭用ソーラーパネルはメンテナンスフリーだと思われていることもあるのですが、実際には4年ごとに定期点検をすることを経済産業省は推奨しています。
発電量の低下や、機器の故障などを確認するためです。

また、太陽光発電システムのパワーコンディショナーは、15年を目安に交換するものですが、約20万円と高価なものです。
保証期間内であれば機器の無償交換ができますが、ソーラーパネルは20年、30年と使用できるため、いつかはパワーコンディショナーを交換することはあるでしょう。そのためパワーコンディショナーの交換費用を前もって積み立てておくといいでしょう。なお、条件によっては太陽光発電による電気代削減効果と売電収入によりメンテナンス費用を補填することは可能です。販売業者に相談する際にはパワーコンディショナの交換費用を想定して長期シミュレーションを取ることをおすすめします。

天候によって発電量が左右される

ソーラーパネルが発電するには、太陽光が必要です。
そのため、晴れより曇り、曇りより雨の方が発電量は少なくなってしまいます。
また、日照時間の長い夏と短い冬でも発電量は変化します。

ただ、1日単位では発電量に違いがあるものの、年間の日照時間は比較的安定しており長期的には発電量も安定します。正しい条件でソーラーパネルを設置していれば、設置前に想定されていた発電量のシミュレーションを下回ることはほとんどの場合ありませんのでご安心ください。

そもそも設置が向いていない家もある

中には、家庭用ソーラーパネルを設置するのには向いていない家もあります。
屋根が北向きの家は発電量が少なくなるので、設置には向いていないといえるでしょう。
また、積雪量が多い地域の家では、屋根が雪で隠れることもあるため、その点も考えて設置しなくてはいけません。

ちなみに、家庭用ソーラーパネルは屋根に限らず、地面やカーポートの上にも設置できます。
環境によっては、設置が難しいこともあるので、設置する前にしっかりと調査しましょう。
設置個所によっては、ソーラーパネルに反射した太陽光が近隣の家に当たってクレームが生じることもあるため、周囲にも注意する必要があります。

販売業者の中には設置に向いていないご家庭に対しても太陽光発電の導入を勧めてくる会社もあります。太陽光発電の相談する場合は必ず複数業者に相談することをおすすめします。

まとめ

本記事では、家庭用ソーラーパネルのメリットやデメリットを解説しました。
現在、家庭用ソーラーパネルを設置する家が増えているということは、多くの人がデメリットよりもメリットの方が大きい、と考えているということでしょう。
最初は設置費用が掛かるのですが、その分電気代も安くなり、災害時の備えにもなるのです。
あった方がいいと感じたら一度太陽光発電のシミュレーションだけでも取ってみましょう。

執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部

ゆめソーラーマガジンは、福岡・佐賀・熊本の太陽光発電・蓄電池専門店「ゆめソーラー」が運営するオウンドメディアです。太陽光発電・蓄電池に関するノウハウを中心に、再生可能エネルギーや環境に関するお役立ち情報を発信しています。

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