気候変動の対策「適応」と「緩和」とは?私たちにできることを徹底解説

2024.10.29

気候変動とは「数十年以上持続する気候状態の変化」を指します。気候変動は自然現象であり、その言葉自体に悪い意味はありません。

しかし近年、地球温暖化による気候変動が問題となっています。

世界中で見られる集中豪雨や大型台風、干ばつ、高温と乾燥による森林火災などは、気候変動によるものとされています。

気候変動を止める対策にはどんなものがあるのでしょうか。

今回は、気候変動に必要な2つの対策「適応」と「緩和」について紹介します。

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目次

“適応”とは「備え」、”緩和”とは「行動」です

気候変動の対策には「適応」と「緩和」が必要です


気候変動の対策には様々な方法がありますが、大きく分けて2つの対策が必要です。

  • 適応:すでに影響がでている、あるいは中長期的に避けられない気候変動に対し、自然や人間活動の在り方を調整し、気候変動による被害に備えること
  • 緩和:地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出を減らし、気候変動による影響を抑えること

どちらも必要な対策ですが「緩和」が最も重要だとされています。

しかし、緩和策だけを行っていても意味がありません。気候変動を抑えるには、適応策と緩和策をバランスよく実施していく必要があるのです。

気候変動の影響に備える4つの「適応策」

気候変動の影響に備える「適応」


「適応」は、IPCCの報告書において以下のように説明されています。

現実の又は予想される気候及びその影響に対する調整の過程。
人間システムにおいて、適応は危害を和らげ、又は回避し、もしくは有益な機会を活かそうとする。
一部の自然システムにおいては、人間の介入は予想される気候やその影響に対する調整を促進する可能性がある。

引用:IPCC 第5次評価報告書の概要

では、適応策の具体的な適応策をみていきましょう。

適応策1 災害に備えた街づくり

災害に備えたまちづくりは、SDGs目標「11.住み続けられるまちづくりを」のテーマにもなっています。

日本では毎年、地震や台風による被害が発生しています。そして地球温暖化により、さらなる災害の発生が予想されます。

このような災害に備えて、国・自治体と個人でできる対策をまとめました。

▼国・自治体による対策

  • 公共施設の耐震化や不燃化
  • 道路や防波堤の整備
  • 避難場所となる公園や広場の確保
  • 避難訓練の実施
  • 災害連絡のデジタル化

▼個人による対策

  • 家の中の災害対策
  • 非常食・飲料の確保
  • 災害非常バッグの準備
  • 避難場所や経路の確認

また、都市部では建物や自動車からの熱や、公園などの緑地の現象などによる温暖化も見られます。

都市部の温暖化には、在宅ワークの導入や通勤時間の変更、建物前での打ち水などが有効です。

適応策2 熱中症対策

地球温暖化による気候変動で、国内の熱中症患者は増加しています。

熱中症は主に3つの要因で引き起こされます。

  • 環境:気温・湿度が高い、日差しの強さ、熱波の襲来など
  • 身体:高齢者や乳幼児、肥満の方、低栄養状態
  • 行動:激しい運動、長時間の屋外作業、水分不足

上記の3つが重なることにより、体温が調整できず体温が上昇し熱中症となります。

熱中症を予防するには、暑さを避けるだけでなく暑さに備えた体づくりや水分・塩分を積極的に補給することが大切です。また、日傘の利用も有効です。

日陰や人工日除けにより、直射日光を下げることで体感温度が3〜7℃下がるといわれています。

参考:環境省 日傘の活用促進について〜夏の熱ストレスに気をつけて!〜

適応策3 感染症対策

感染症は、体内にウイルスや最近などの病原体が入り感染することによって起きる病気です。

一般的に、4つの条件があると感染症にかかりやすくなると言われています。

  • 人の体に入る病原体の数や侵入しやすい状況が多い
  • 病原体の自然宿主や媒介する生物が多い
  • 病原体が侵入しやすい居住スペースやライフスタイル
  • 衛星状態が悪い

気候変動は、降水量やパターンが変化し、蚊や自然宿主の数が増えます。これにより、感染症の拡大が予想されます。

感染症の拡大や発生を防止するための対策を、箇条書きにてまとめました。

▼国・自治体による対策

  • 洪水時の消毒活動
  • 平常時の有害生物駆除
  • 学校での健康教育、感染防止教育など

▼個人による対策

  • 家の周りに水が溜まる場所を作らない
  • 虫よけ対策

参考:環境省「地球温暖化と感染症〜いま何がわかっているのか?〜」

感染症を予防するためには、国や自治体と個人の協力が必要です。

適応策4 気候変動に適応した農作物の開発・栽培

気温の上昇は、農作物に高温障害等の影響を及ぼします。そのため、高温環境でも育つ新たな品種開発や栽培管理技術の導入・普及が必要です。

現在行われている、対策例をご紹介します。

▼水稲

  • 高温でも白未熟粒が少ない高温耐性品種の導入

▼果樹

  • 浮皮軽減のため植物成長調整剤の散布
  • 着色促進のための反射シートの導入
  • りんごやぶどうの優良着色系品種や技術の導入

▼野菜

  • 遮光資材の導入
  • 高温耐性品種の導入

参考:農林水産省「農林水産省の農業分野における気候変動・地球温暖化対策について」

また気温上昇により、果物の生産地域も変わることが予想されます。

例えば「うんしゅうみかん」や「りんご」の栽培適地は年々北上すると言われています。

今まで栽培されていた場所での生産が難しくなる一方で、寒い地域での栽培が可能になるのです。

気候変動の原因を減らす3つの「緩和策」

気候変動の原因を減らす「緩和」

過去に排出された温室効果ガスは大気中に蓄積しているため、温室効果ガスの排出量を最大限減らしたとしても、地球温暖化は避けられません。しかし、少しでもその影響を減らすことは可能です。

ここからは、緩和策の具体的な方法を紹介します。

緩和策1 節電・省エネ

日常で使う電気の量を減らすことにより、発電時の二酸化炭素排出を抑制できます。

私たち個人でできる節電や省エネ対策は、たくさんあります。

▼節電(例)

  • 家族がなるべく同じ部屋で過ごす
  • エアコンの温度設定(暖房20℃、冷房28℃)
  • こまめに照明を消す
  • 使わない電気製品のコンセントを抜く

▼省エネ(例)

  • 近場への移動は徒歩や自転車で
  • 自動車移動を減らし、公共交通機関を使う
  • 地産地消
  • 使い捨てを減らし、詰め替え商品や量り売りを利用
  • 省エネ家電に買い換える

いつでも家電を使えるように、コンセントに接続したまま電源を落としている人は多いのではないでしょうか?

その状態で消費される電力を「待機電力」と呼び、一般家庭では電気消費量の約5%を待機電力で消費しています。

こまめにコンセントを抜くのが手間だと感じる方は、スイッチ付き電源タップがおすすめです。

緩和策2 森林を守る・増やす

森林は大気中の二酸化炭素を吸収し、有機物として固定し、蓄積する働きがあります。

特に樹木は、幹や枝に大量の炭素を蓄えてくれるため、二酸化炭素の吸収源として大きな効果を発揮します。

ただし木々がたくさんあれば良いという訳ではなく、適切な伐採が必要です。成熟した木々は、呼吸によって二酸化炭素の排出が多くなるため、伐採し木材として使用できます。

樹木は伐採されて木材となっても、燃やされるまで炭素を保持し続けます。

二酸化炭素を吸収して成長した樹木を、伐採し木材として長期間使うことで、大気中に二酸化炭素が放出されるのを防ぐことができるのです。

このことから、木造住宅は「都市の森林」「第二の森林」と言われています。

日本は国土面積の約7割を森林が占めており世界でも有数の森林大国です。

今ある森林を適切に管理し、二酸化炭素を吸収しつづける森林を守ることが大切です。持続可能な森林経営を支援する森林認証という制度も注目されています。

緩和策3 再生可能エネルギーの利用

3つ目の緩和策は、再生可能エネルギーの利用です。

再生可能エネルギーは二酸化炭素の排出が少なく、環境に優しいエネルギーです。

2021年度での日本のエネルギー自給率は13.3%で、国内にエネルギー資源がほとんどありません。

エネルギー源として使われる石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料の大部分を、輸出に頼っている状態です。

対する再生可能エネルギーのエネルギー源は太陽光や風力なので、半永久的に利用でき、海外に頼る必要はありません。

再生可能エネルギーの利用には「再生可能エネルギー電力への切替」と「太陽光パネルの設置」の2つの方法があります。

2000年の電力小売自由化により、個人でも電力会社を自由に選ぶことができるようになりました。

電力会社のなかには再生可能エネルギー由来の電力を販売する会社があります。手続きはネット上でできるので、すぐに再生可能エネルギーを導入したい方におすすめです。

太陽光パネルを住宅の屋根に設置するだけで自家発電ができます。

電気代の節約や余剰電気の販売ができ、災害・停電時にも自立運転機能により電気が利用できます。

補助金が出る自治体も多いため、太陽光パネルの設置を検討している方は、事前にチェックしましょう。

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まとめ

地球温暖化には「適応」と「緩和」の対策が必要で、どちらもバランスよく実施しなければ効果は発揮できません。

そして実施には、国や自治体だけでなく、私たち個人の協力も必要不可欠です。

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※九州において 調査機関:株式会社Acorn Marketing & Research Consultants Japan 調査期間:2024年1月

執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部

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