執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部
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近年では屋根に太陽光発電のパネルが搭載されているご家庭を目にすることも多く、実際に以前と比べて太陽光発電の普及は進んできたと言えます。太陽光発電の普及を後押ししたのが経済産業省による導入拡大への取り組みです。
今回は、環境に配慮したエネルギーの普及を目指した経済産業省の取り組みについて解説していきます。
目次
2012年の固定価格買取制度スタートをきっかけに普及が進んだ太陽光発電は今後さらなる普及拡大が目指されています。まずは太陽光発電システムの普及拡大に向けた取り組みをご紹介します。
2008年に閣議決定した「低炭素社会づくり行動計画」において、「2020年までに現状の10倍の導入数を目指し、さらに2030年には40倍にまで拡大する」という長期目標が掲げられました。
政府は長期にわたる計画を2つの期間に分け、それぞれに細かい達成目標を設けています。また、導入目標の達成に向け、発電コストの低減や変換効率の向上を図っています。
※薄膜シリコン太陽電池・超薄型結晶シリコン太陽電池等において
再生可能エネルギー普及に向けた課題の一つがコスト面の問題です。ここでは導入にかかる負担を低減するために国が行っている支援措置について解説します。
以前は再生可能エネルギーによる発電・熱利用設備を導入する事業者を対象とした「再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金」が施行されていました。
発電設備の場合、対象となるのは自家消費型のシステムに限られていました。補助率は太陽光発電の場合、補助対象経費の1/3もしくは10万円のうちいずれか安い金額が採用されました。
新エネルギーの設備を導入し、1年以内に事業に用いた者を対象として税制面における優遇措置を行うものです。税制面での措置は「特別償却」か「税額控除」のうちのどちらかを選ぶことができます。
「特別償却」とは、設備を導入した初年度に導入コストの3割を上限として償却し、残りの7割を毎年5%ずつ償却していくという措置です。「税額控除」は導入にかかった金額の7%相当の税額控除を受けられるという措置で、こちらは中小企業のみ選択ができます。
固定資産税における「課税標準」を減らすことで減税する措置です。「課税標準」とは、税額を計算する際の基準となる金額を言い、 税額はこれをもとに【課税標準×税額】で算出されます。
「再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置」では、この課税標準を固定資産税の課税開始から3年間にわたって軽減します。
発電にどのような再生可能エネルギーを用いるかで課税標準の軽減率は変わってきます。例えば、地熱発電や中小水力発電、バイオマスを用いた発電設備の場合は1/2、太陽光発電設備や風力発電設備に関しては2/3にまで軽減します。
なお、太陽光発電に関しては自家消費型のみが対象となります。
太陽光や風力など「非化石エネルギー設備」と呼ばれる設備の導入に必要な費用を融資する制度で、個人事業主や中小企業が対象です。事業規模や導入設備で用いるエネルギー等に応じて利率が決められています。
例えば太陽光発電の場合、中小企業は1.3%、小規模事業者や個人事業主の場合は1.25%~1.85%です。融資期間は20年で、中小企業の場合は7億2千万円、小規模事業者や個人事業主は7千2百万円以内を貸付限度としています。
家族連れや子供を対象とした「GREEN POWERプロジェクト」と呼ばれる取り組みが各地で行われています。再生可能エネルギーについて親子で学ぶための様々な取り組みについて解説します。
2013年7月11日にスタートしたGREEN POWERプロジェクトは経済産業省の資源エネルギー庁を中心に、地方自治体や民間企業が協同して推し進めていく取り組みです。過去には、メーカーと不動産会社が共同でエネルギーに関する学習教室を行うなど企業と共同での取り組みがいくつも行われています。
再生可能エネルギーの普及を促進し、暮らしや地域を活気づけることが目的です。
「日本をグリーンの力で動かそう!」というコンセプトのもと、全国各地で自治体と企業が一丸となって普及に向けた取り組みを行っています。
プロジェクト名やコンセプトにもある「グリーンパワー」は二つの意味を持っています。
一つは、太陽光や風力など「再生可能エネルギー」そのもののことです。もう一つは、再生可能エネルギーの普及拡大を進める人々や地域の持つ力を指します。この二つの「グリーンパワー」を生かして日本を動かしていくことを目指しています。
GREEN POWERプロジェクトでは、全国各地で再生可能エネルギーについて家族で楽しみながら学習できるイベントを開催しています。
過去にはソーラーカーを作る工作イベントが行われた例もあります。他には、「こどもグリーンパワーサミット」というクイズコーナーやプレイ・コーナーを設けたイベントも開催されました。
また、北九州次世代エネルギーパークを訪れ、風力発電所などの発電施設を実際に見学する「次世代エネルギーパーク見学ツアー」など再生可能エネルギーへの理解を深められるイベントも実施しました。
低炭素社会の実現に向けて、太陽光発電などの再生可能エネルギーの必要性が高まっています。
しかしながら日本は諸外国と比較しても再生可能エネルギーの普及率はまだまだ低いです。原因の一つとして発電コストが依然高いままであることが挙げられます。
経済産業省は発電コストの低減や支援措置を通じて、再エネ導入に向けた障壁をクリアすべく様々な取り組みを行っています。将来的には再生可能エネルギーが今以上に身近で導入しやすいものとなることが目標とされています。
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