太陽光パネル

太陽光発電システムは、売電や節電に役立つ魅力的なシステムです。
しかし、検討にあたっては償却にかかる期間やパネルの寿命も気がかりなところです。
そこで「法定耐用年数」・「減価償却」の考え方や機器の寿命など設置の見通しを立てるために役立つ知識を紹介します。

法定耐用年数の基礎知識

償却について知るうえで減価償却に関する基本的な考え方を知る必要があります。
ここではまず「法定耐用年数」についてお答えします。

「法定耐用年数」とは?

法定耐用年数 イメージ
物は使い始めた時から少しずつ価値が下がります。

「法定耐用年数」とはその物の経済的な価値がどれだけ続くかを法的に定めたものです。
法定耐用年数は、減価償却を行う際の基準としても用いられます。

減価償却とは、設備の費用を所定の年数に割り振って計上する会計上の手続きのことです。
長期にわたり、少しずつ計上することが可能なので、一年間当たりの費用は少なくなります。

減価償却の方法には、「定額法」「定率法」の二つがあります。

簡単に言うと、「定額法」は毎年同じ金額になるように償却する方法で、「定率法」は残金に対して毎年同じ比率になるように計算して償却する方法です。

例を挙げて解説

太陽光発電システムの場合、原則的に個人は定額法、法人は定率法によって償却を行います。
この二つについて、実際に一例として簡単に概算してみましょう。

仮に耐用年数を17年、設置にかかった費用を300万円とします。

定率法の場合

償却率と呼ばれる数字を前年までの残額にかけることで償却費用を計算するため、

  • 1年目:300万円×0.118=35万4000円
  • 2年目:(300万円-35万4000円)×0.118=31万2228円
  • 3年目:(300万円-35万4000円-31万2228円)×0.118=27万5385円

となり、償却費用は年々少なくなっていきます。

定額法の場合

一方、定額法の場合は、毎年同じ金額になるように計上していきます。
上の条件でいうと、17年間同じ金額ずつ計上するので、総額の1/17ずつを計上することになります。

つまり、初期費用に【1÷17=0.0588235294≒0.059】をかけた数が計上する金額です。

今回のケースでは毎年【300万円×0.059=17万7000円】となり、これが毎年の減価償却費になります。
定率法は減価償却を早期に行うことができます。

一方、定額法は毎年の計上額が一定のため節税の見込みを立てやすく、それぞれメリットがあります。

太陽光発電の法定耐用年数は何年?

減価償却費を計算するうえで基準となっている法定耐用年数ですが、「発電した電気の使い道」によって大きく変わってきます。
そこで、法定耐用年数の考え方について例を挙げて解説します。

法定耐用年数の区分

一般に法定耐用年数はその資産の種類によって「建物」「機械・装置」などの大まかな区分に分かれ、そこからさらに細かい区分に分けて年数が定められています。
しかし、太陽光発電システムが全て同じ年数になるとは決まっておらず、発電した電気の使い道によって耐用年数が変わります。

自動車製造業の場合

自動車製造会社が工場に太陽光発電システムを設置し、発電した電気を使って自動車を製造していた場合を例とします。
設備そのものではなく、「発電した電気を用いて製造した物」が何であるかで判断がなされるため、今回の例では発電した電気は自動車の製造に用いられているため、「自動車にかかわる設備」として判定を受けます。

すると耐用年数は自動車製造設備が該当する「輸送用機械器具製造業用設備」の9年が適用となります。

産業用ですべてを売電する場合

発電した電気を用いて製造を行う場合は、最終的に作られた製品をもとに判断されます。
一方で、家庭用の余剰買取や産業用で全量売電を行う場合は、太陽光発電システムは自家発電設備という扱いになり「機械・装置」に該当します。

さらに分類は細かく分かれており、省令に示す小分類の「前掲の機械及び装置以外の者並びに前掲の区分によらないもの」のうち、「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当し耐用年数は17年となります。そのため産業用ですべてを売電する場合には17年の耐用年数が適用されるのです。

太陽光発電はいつまで発電できる?

一般に太陽光発電システムは、長く使い続けることができるといわれています。
では、具体的に何年くらい発電し続けてくれるものなのでしょうか。

ここでは太陽光発電システムの寿命について詳しく解説します。

太陽光パネルは20~30年程度

ミニチュアの家
太陽光パネルは構造上、モーターのように駆動する部品を持たないため、劣化のペースもかなり緩やかです。
一般には、20年~30年ほどが太陽光パネルの期待寿命とされています。

しかし、寿命が切れるまで初期の出力を保ち続けることはできず、製品の劣化は避けて通れないものとなります。
では、実際にどのくらい経年劣化による出力の低下があるのか説明します。

京セラが千葉県の佐倉ソーラーセンターにて行った実験によりますと、25年間で9.6%の経年劣化による発電量の低下がみられたという結果となりました。

これを年単位に換算すると年間0.384%の出力が低下したことになります。
他にもNTTファシリティーズによると、年間で0.25%~0.5%の出力低下がみられるとのことです。

このことからも太陽光パネルの経年劣化が非常に緩やかなものであることが分かります。

国内メーカーのほとんどが20~25年の発電保証

長期に使用していくうえで、ほとんどのメーカーで長期の出力保証を設けています。
国内メーカーでは少なくとも10年以上の出力保証を設けており、最近では20年~25年の出力保証を設けているところも多くなりました。

出力保証はその保証期間中において一定水準以上の出力が保証されますが、その基準はメーカーによって異なります。

しかし、10年で80%台、20年で70%台の出力を保証するメーカーが多いことからも、少なく見積もってもそれだけの出力は保ち続けられるということがわかります。

パワーコンディショナは10年~15年程度

システムの心臓部ともいわれるパワーコンディショナの場合、ほとんどのメーカーにおいて10年から15年の保証期間が設定されています。
パワーコンディショナ自体が様々な電子部品を組み合わせて作られた機器であるため、一般の家電と同じように10年から15年ほどで交換が必要になるためです。

まずは専門家に相談を

太陽光発電システムを設置するうえで、償却にかかる年数や耐用年数は知っておきたい内容です。また事業用での設置に際しては確定申告などの諸手続きに必要となる知識でもあります。

実際に手続きを行う場合はまずは専門家に相談することをおすすめします。
減価償却の計算方法を知っておくことは大切です。

しかし手続きには専門的な部分も多くあり、特に税金が絡む場合などは自分だけで行おうとせず、まずは税理士などの専門家に相談をすることがトラブル防止の観点からも大切です。

また、太陽光発電システムは一般的に長く使えるとされていますが、同時に故障が見つけにくいシステムでもあります。
メーカー選びから、設置後のメンテナンスまで、こちらも専門の業者にきちんと相談をしてみることをお勧めします。

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