執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部
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太陽光発電システムは、一般の家電製品に比べて故障しにくく長寿命といわれています。
耐用年数が比較的長いとされますが、耐用年数には機器の物理的な寿命のほかに、税法上の法定耐用年数があります。
ここでは、法定耐用年数に基づく減価償却の考え方や、太陽光発電システムの物理的な寿命についてご紹介します。
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目次
減価償却するための耐用年数とは、税法上定められた一定の年数のことを指します。
機械・設備などは使用年数に応じて経済的な価値が低下していくので、その分を「減価償却費」として、費用に計上することができます。
事業などで使う建物や設備は、時間の経過によって資産としての価値が下がります。このような資産を「減価償却資産」といいます。
減価償却とは、資産の取得に要した金額を一定の方法によって毎年の経費として配分していく方法です。
企業は毎年自社の価値を決算書で明らかにする義務があります。自社の価値にはキャッシュだけでなく、その時点での不動産や設備などの価値も含まれるため、公正に評価するために減価償却を行います。
法定耐用年数とは、機械設備や工場の建物など税法上定められているものを減価償却するための年数のことで、一般的に使われている耐用年数とは異なります。
一般的な耐用年数は、商品や設備の寿命のことを指す場合がほとんどです。
一方、法定耐用年数は、国税庁の耐用年数省令によって資産ごとに詳しく定められているので、経済的な価値の消耗分としての減価償却費を、企業や事業所が独自に償却期間を定めて計上することはできません。
企業が自由に償却期間を決めると税法上不公平になるからです。
太陽光発電設備で減価償却が必要になるのは、個人事業主や企業などが事業として発電している場合です。
ここでいう事業とは、売電しているかどうかは関係なく、事業者として設置している太陽光発電設備を指します。
また、個人が住宅に10kW以上の太陽光発電設備を設置した場合は、減価償却が必要になります。
それぞれの資産の法定耐用年数は、国税庁の耐用年数省令で確認できます。
例えば、普通自動車は6年、食料品製造業用設備は10年、太陽光発電設備は17年となっています。
そこで、太陽光発電設備を例にとって、減価償却費を計算してみます。
減価償却費の計算式には、定額法と定率法があります。
定額法は毎年均等に一定額を償却する方法で、170万円の太陽光発電設備の場合、17年の耐用年数では毎年10万円ずつ償却できるというイメージです。
実際には、償却率や端数の切り上げなどがあり、少し金額は前後します。定率法の場合は、一定の償却率で償却する方法です。
償却率25%の場合、初年度は170万円×0.25=42.5万円、次年度は、(170万円-既償却額42.5万円)×0.25、次々年度は、(170万円-既償却額42.5万円×2年)×0.25という形で、毎年逓減します。
定額法、あるいは定率法の選択は、企業の自由です。
定額法は、償却額が毎年一定なのに対し、定率法は設備や機械の導入当初に償却額を多く計上でき、年数を経るごとに減少していきます。そのため、導入初期の利益を圧縮できるというメリットがあります。
太陽光発電設備については、「グリーン投資減税」によって、平成30年3月31日までに取得した設備については、上記の普通償却に加えて取得価額の30%相当額の特別償却、または中小企業の場合は取得価額の7%相当額の税額控除のどちらか一方を選べます。
特別償却は、減価償却費を前倒しすることで必要経費を実質的に増額する方法です。税額控除は、その名の通り直接所得税を割り引く制度のことを指します。
また、国の「再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金」の交付を受けて平成30年3月31日までに全量自家消費の太陽光発電設備を設置した場合は、取得した翌年から3年度分は、設備の課税標準額が3分の2に軽減されます。
減価償却費の計算式には、定額法と定率法があります。定額法は毎年均等に一定額を償却する方法で、170万円の太陽光発電設備の場合、17年の耐用年数では毎年10万円ずつ償却できるというイメージです。
太陽光発電は、一般的に自家発電用の設備と考えられていますが、法定耐用年数ではそうでないケースもあります。その場合は、法定耐用年数が異なるので注意が必要です。
機械、設備、建物などの減価償却資産が2つ以上の用途に使用される場合、その用途によって、異なった耐用年数が定められており、事業用の場合は太陽光発電からできる最終製品によって判定されます。
ここでは、自動車製造業を営む法人が太陽光発電設備を自動車製造用電力として使用する場合で考えてみましょう。
国税庁の質疑応答事例によると、この場合の太陽光発電設備は最終製品が「電気」ではなく「自動車」になるため、自動車に関する設備と判定されます。
したがって、耐用年数は、17年ではなく、「輸送用機械器具製造業用設備」の9年が適用されることになります。
個人が住宅用太陽光発電設備を自宅に取り付け、発電の余剰分を売電している場合、この設備は売電するための事業用資産に該当しないため、減価償却資産とはなりません。
そのため法定耐用年数も適用されません。
ただし、出力10kW以上の太陽光発電設備を個人が導入してアパートの屋根等に設置した場合は、余剰分を売電する場合でも設備は償却資産となり、17年の法定耐用年数が適用されます。
産業用の場合は、発電電力を100%売電することができます。
その場合の法定耐用年数は、「機械・装置以外のその他の設備の主として金属製のもの」に該当し、年数は17年と定められています。
ちなみに、余剰電力売電設備も法定耐用年数は17年です。
太陽光発電設備の耐用年数について解説します。
ここでの耐用年数は、実際に何年発電できるかを指す物理的な寿命という意味です。
太陽光発電システムは、太陽光発電パネルやパワーコンディショナーのほか、接続箱、ケーブル、設置架台などいくつもの部材で構成されています。
そのため、システムの耐用年数といっても、部材によって異なります。システムの中心となる太陽光発電パネルの場合、一般的には20~30年が耐用年数です。
通常、パネル部分に使われているシリコン結晶は高価ですが、その分安定的な物質で、耐候性に優れた封止材で保護されています。
また、パネルは強化ガラスで覆われており、摩耗を伴う可動部がないという構造・機能から、太陽光発電パネルは故障しにくく長寿命とされています。
ただし、設置環境によっては設置架台・ケーブル等の周辺機器の寿命は大きく変わり、塩害や太陽光の紫外線による腐食・劣化によっては故障・交換の頻度が多くなる場合もあります。
国内メーカーの多くは、20~25年の発電保証をしています。
一般的な発電保証は、20年間の最大出力の約80%です。ただし、太陽光発電パネル自体の性能としては、20年間の稼働での出力低下は10%程度といわれ、寿命からの発電量の低下はほとんど影響がないといっても良いでしょう。
また、適切なメンテナンスを行えば、太陽光パネルは40年以上も発電可能といわれています。
パワーコンディショナーは家電製品と同様に電気が流れて稼働する機器のため、太陽光発電パネルに比べると寿命が短いといわれ、耐用年数は10~15年とされています。
メーカーの多くは10年保証をつけていますが、最近では有償サービスとして15年、または20年の保証をつけるところも登場しています。
太陽光発電設備の寿命を左右するもう一つの要因は、天災による太陽光発電設備の破損です。
例えば落雷による太陽光発電パネルやパワーコンディショナーの破損、台風時の飛来物の衝突によるパネル表面の破損などです。これらの発生は確率の問題ですので、寿命を左右する隠れた要因といえるかもしれません。
災害については、メーカーによっては有償で補償しているところもあれば、用意していないところもあります。
その場合は損害保険会社と契約する必要があります。機器の使用価値である耐用年数は、しっかりしたメンテナンスによって、寿命を延ばすことが可能です。
メーカーや販売施工会社で有償・無償の定期点検を行ってくれるところもありますので、導入の際はアフターサービスの内容についても比較検討してみましょう。
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