知っておくべきkWとkWhの違い

太陽光発電システムに関して調べていると、初めて見る言葉ばかりで戸惑ってしまいますよね。とくに「kWh」は、普段目にする機会も少なく「kWとはどう違うの?」「最後のhはいったい何?」という疑問がわきませんか?

しかし、これらをしっかりと理解すれば、ご検討されているシステムの発電量や、ご家庭で普段使っている電気の量がもっとイメージしやすくなるはずです。

目次

そもそもkWhとは、どういう意味か

「kW」に比べて、後ろにhの付いた「kWh」はあまり馴染みがないかもしれませんね。しかし、きちんと理解すれば、設置のご検討や節電などにも役立ちますよ。

kWhの「h」は「hour」の頭文字

「kWh」の後ろについているhは「hour」の頭文字で、「ラッシュアワー」と同じように「時間」という意味です。kWhと書いて「キロワットアワー」と読み、1時間当たりの電力量をいいます。

毎月の電気料金はkWhをもとに計算されている

電気代の請求書に「○○○kWh」と書いてあるのを見たことはありませんか?

電気代は簡単に言えば【基本料金】+【電気の使用量×1kWh当たりの電気料金】=【電気代】という式で計算がされます。

この中でも「電気の使用量」の計算にkWhが使われています。

たとえば、500Wのホットカーペットをつけたまま1時間うたた寝をしたとします。

500Wの電力を一時間にわたって使い続けたので、【500W×1時間=500Wh】。つまり0.5kWhの電気を使ったことになります。

1000倍ごとに一つ大きな単位に

電力は1000倍ごとに一段階大きな単位に変わります。つまりkWはWの、MWはkWの、GWはMWのそれぞれ1000倍です。

2012年以降、「メガソーラー」という、出力が1MW以上の大規模なものも増えましたが 、これを知るといかに大規模な設備なのかが伺えます。ちなみに、一般的なご家庭で設置する場合は、4kW~5kWほど載せることが多いです。

kWとはどう違う?

電力の単位にkWとkwhがありますが、一体どう違うかご存知ですか?似ているようでちょっと違う、この二つについて見ていきましょう。

kW(キロワット)

kWを簡単に言うと「瞬間に流れた電力の強さ」のことです。一度、わかりやすく車に例えて考えてみましょう。

この場合、kWは車でいうところの「時速」と考えるとイメージしやすいですね。瞬間的な消費量なので、モジュールの公称最大出力などを表す際に用いられます。

kWh(キロワットアワー)

発電量などでも目にする「kWh」ですが、電気の総量を意味しています。こちらは、先述の車の例えでいうと「走行距離」に当たります。

走行距離を知りたいときは、時速に走行時間をかけ合わせて算出しますよね。それと同様に、瞬間的な電力量を表す「kW」に時間をかけ合わせて求めます。

仮に1kWのエアコンを2時間動かした場合【1kW×2時間=2kWh】。つまり、2kWhの電気を使ったことになります。

A(アンペア)

電気の契約でときどき耳にする「アンペア」。電流の大きさ、つまり一秒間に通り抜ける電子の個数を示します。

先ほどの例に倣って道路で例えると、アンペアは何台の自動車がその道路を通行しているかという「交通量」に当たります。

V(ボルト)

ボルトは、電圧の大きさを表す単位です。

電流を流そうとする力がどれくらい強いのかがボルトで表されます。道路で例えると、走っている自動車のスピードが、この「電圧」に当たります。

W(ワット)

電力の消費量、つまり1秒間あたりの電気の仕事量を表します。たとえば電子レンジではW数を大きく設定すると、同じものを温めるときでもより短い時間でしっかりと温まりますよね。

一般にW数は【A(電流)×V(電圧)】という式で求められます。

わかりやすく言うと、トラックで荷物を運ぶ際に、台数を増やし、スピードを上げて運搬すると同じ時間でもより多くの荷物を運べるというイメージです。

そのため、トラックの台数に相当するアンペアと、トラックのスピードに相当するボルトをかけ合わせれば、運べる荷物の量に当たるワット数を算出できるのです。

仕組みがわかれば節電にも役立つ

ここまで、kWやkWhなど電気にまつわる単位をいくつか紹介しました。そこで、実際に身の回りでの活用例を知り、節電にうまく活用しましょう。

家電製品の消費電力量

今や私たちの生活に欠かすことのできない家電製品ですが、使用に当たって必要な電力はどれくらいかご存じですか?

先述の通り、電力消費量は【W数×使用時間】で出すことができます。仮に500Wの電子レンジで6分間加熱した場合、【500W×6/60時間=50Wh】つまり0.05kWhの電気を使ったことがわかります。

家電によってW数は様々で、掃除機はおおよそ850W~1000Wほど、ドライヤーは600W~1200Wほどになります。これらの家電でも同様に、使った時間をかけ合わせれば実際につかった電気の量を求められます。

スマートハウスをもっと上手に活用

電力量の仕組みを知っていれば、スマートハウスをより賢く活用できます。

スマートハウスとは、電気を作り出す「創エネ」に、使用状況を「見える化」して管理する「HEMS」等を組み合わせて、効率的なエネルギーの使用を実現する住まいのことです。部屋ごとの使用状況がモニターでわかるシステムの場合も、上述のような理屈がわかっていれば、利用状況をより正しく把握できます。

たとえば、キッチンで600Wの電子レンジを使用しているときに、モニターを見るとそれまで110Wだった使用電力が710Wまで跳ね上がるので、パッと見た感じでは電子レンジが多分に電気を消費しているように感じますよね。

しかし、電子レンジの場合、加熱時間は2分程度と短いです。仮に600Wで2分間使用したと考えると、
【600W×2/60時間=20W】となり、kWhに直すと0.02kWhになるので、1回の使用での消費電力量はかなり小さいものとなります。

逆に、W数そのものは小さくても長時間使い続ける家電は消費電力が大きくなります。たとえば40Wの照明でも5時間つけっぱなしにすれば【40W×5時間=200W】となり、電子レンジの10倍もの電力を消費するのです。

こういった仕組みを理解しておけば、1日のうちで何に一番電気を使ったのかという見方もできるようになるため、モニターからの情報をより有効活用できるようになります。

また、スマートハウスを導入しているご家庭に限らず、節電をする際にもこうした知識は役立ちます。先述したとおり、電気代はkWhを用いて計算される「消費電力量」をもとに決定されています。つまり、家庭での消費電力量を正しく知ることが節電の第一歩。

上の電子レンジと照明の例で考えると、電気の単位について知らないと600Wの電子レンジ以上に40Wの照明が電気を消費していることに気づくことはできませんよね。このように、kWhについて正しく理解し、どこにどのくらいの電力が使われているかを知ることがムダのない電気の活用につながっていくのです。

他にも、太陽光発電システムを設置した際のおおよその発電量を予測する際の参考にもなります。

たとえば平均的な日照時間が5時間の地域で、3.91kW発電する太陽光発電システムを設置している場合【3.91kW×5時間=19.55kWh】となります。

もちろん発電量は季節・天候などに大きく左右されるため、必ずこの通りになるわけではありませんが、大まかにですがこうして発電量の目安をつけることができます。

このように、様々なシーンで電力や電力量の基本的な知識を役立てることができます。

電気の単位を知ってより具体的なイメージを

普段馴染みのない「kW」や「kWh」について正しく知ることで節電や太陽光発電システムの設置についてより具体的にイメージすることができます。

太陽光発電システムがどのくらい発電するかや、ご家庭でどれくらいの電気を使っているかをより具体的にイメージしていく上で、「kW」や「kWh」といった電気の単位についての知識は不可欠になります。

数字や計算が絡むのでついつい「難しそう」と敬遠してしまいがちですが、基本的な考え方をきちんと理解すれば様々なシーンで役立てることができます。

これを機に、ぜひ節電の見直しなどに知識を役立ててみてくださいね。

執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部

ゆめソーラーマガジンは、福岡・熊本・佐賀の太陽光発電・蓄電池専門店「ゆめソーラー」が運営するオウンドメディアです。太陽光発電・蓄電池に関するノウハウを中心に、再生可能エネルギーや環境に関するお役立ち情報を発信しています。

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