執筆者:ゆめソーラーマガジン編集部
ゆめソーラーマガジンは、福岡・佐賀・熊本・鹿児島の太陽光発電・蓄電池専門店「ゆめソーラー」が運営するオウンドメディアです。太陽光発電・蓄電池に関するノウハウを中心に、再生可能エネルギーや環境に関するお役立ち情報を発信しています。|SNSで情報発信中!▶公式Instagram
2009年に開始した住宅用太陽光発電の固定価格買取制度。
10年間の買取期限が満了を迎える「2019年問題」が話題になった中、太陽光発電システムにより創られた電力の新たな活用方法が期待されています。
これまでの「どのように多く発電させるか」という「発電した電気をどのように活用するか」に注目が集まっています。
そして、いま、蓄電システムはその役割が改めて見直されています。
太陽光発電システムとの相性や、HEMSや電気自動車、また新電力などの利用により、その経済効果や役割は大きくできることも注目されています。
太陽光発電システムと蓄電池をセットで導入するメリットを中心に、補助金制度や今後の蓄電池市場などについてもご説明いたします。
「あなたのご家庭ではどれくらいおトク?太陽光発電のシミュレーションを”無料”でお試しください!」≫
目次
はじめに太陽光発電システムと蓄電池の仕組みについて簡単に説明をしましょう。
太陽光発電システムで発電した電気は以下のように使われ、売電されています。
太陽光発電システムは10kW未満の設置容量であれば余剰買取制度が適用されますので、蓄電システムを導入していたとしても、創られた電気は家庭内で使用することが優先となります。
蓄電池の運転モードによっても異なりますが、基本的には、以下の順番で電気は使用されます。
売電価格の低下が続き、一方で電気料金は値上げが続いています。
現在は、電力会社からの購入電力が高価格となっているので、蓄電池を導入して、ソーラーパネルで発電した電力を、自家消費と蓄電池への蓄電に充てることはが費用対効果が高いとされており、そのことからもソーラーパネル(太陽光発電)と蓄電池は相性が良いといえるでしょう。
ソーラーパネル(太陽光発電)と蓄電池を導入するメリットにはどのような点があるでしょうか。
実際に導入されている方々の目的、またその期待できる効果について考えてみましょう。
昨年より急激に蓄電池のニーズが高まっている1つに災害対策への備えを目的とした利用があげられます。
2018年には、西日本を襲った記録的な豪雨や北海道胆振東部地震など、災害による停電が多く発生していました。日本各地で起こった予測できない自然災害を経験し、近年はとても防災意識が高まっています。
蓄電池は災害や電力不足などで停電してしまった際に、非常用電源として活用することができます。
蓄電池に電気が蓄えられていることで、一時的にであっても日常生活に必要な電気を使用することが可能です。小さな子供や高齢者を抱える家庭の場合には、特に電気は重要なライフラインとなります。
太陽光発電システムが設置されていれば、日中、天気がよければ太陽光発電システムで発電をし、日中はその電気を使用し、発電量に余裕があれば蓄電池への充電をし、夜間に活用できます。
非常時でも昼夜を問わず、電気が使えライフラインを確保できます。
太陽光発電システムは、太陽が出ている日中に発電しますが、夜間は電気をつくり出せないので、太陽光発電システムでつくり出した電気を使うことはできません。
太陽光発電システムだけでは、発電した電気を蓄えておくことはおくことはできません。
太陽光発電システムだけでは、発電した電気を蓄えておくことはおくことはできません。
しかし、蓄電池と組み合わせれば、昼間に発電して蓄えておいた電気を、夜間にも使うことができます。昼間は外出していて、あまり電気を使用しないという家庭であっても太陽光発電システムを有効に活用して頂くことができます。
また、ピークシフトによる節約効果も期待できます。
ピークシフトとは、電力を消費する時間帯をずらして、電力需要のピークにあたる時間帯の電力消費を抑えることです。
蓄電池を導入することにより、電力会社から供給される電気を使う時間をずらすことができるため、電力供給のピーク時の消費量を抑えることができ、そこのことはエネルギー消費の平準化に繋がります。
深夜帯の電気代の安い時間帯に充電した電気を日中使う事ができる為、太陽光発電によって創った電気を余剰電力として電力会社に売電する事が可能になり、これまでの売電運用を一気に効率化できる事もできます。
実際に蓄電池を導入する際にかかる費用、およびそれをサポートするため補助金制度についてご説明しましょう。
2019年度は蓄電システムの価格や商流が多様化するということが予想されています。
搭載されている機能などによって幅はありますが、蓄電池は設置工事を含めると現在、一般的にkWh単価約20万円程度とされています。
しかし、アメリカや台湾、中国のメーカーなど海外メーカーの多くが日本への本格的な進出を狙っており、市場価格は大きく揺らいでいます。
アメリカ大手メーカーの蓄電池は「直販モデル」という販売方法を採用しており、中間業者を通さないため、kWh単価11万円程度という価格を実現しています。
このような中、これまで国内で実績のあるメーカーもこれまでの価格帯での勝負は難しいと判断され、大きな価格変動が行われることも予想されています。
また、これまでは、太陽光発電システムの販売施工を行っていた会社が中心になって販売を行っていましたが、住宅メーカーや警備会社などのセキュリティ関連企業による販売、また車のディーラーがV2H機器と蓄電設備をセット販売する可能性なども注目されています。
商流が多様化することで、価格の低減化も期待されています。
2018年度の蓄電設備に関する主な補助金はVPP向けと、ZEH向けの2つが用意されていました。中心はVPP向けの補助金となります。
多くの企業や自治体が、いまVPPに注目をしています。家庭や工場、店舗などが有するエネルギーリソース(蓄電システム、太陽発電設備、電気自動車(EV)などをエネルギマネジメントすることで電力の需給調整に活用する実証事業を実施しています。
エネルギーリソースの遠隔制御対応(IoT)化、電気自動車を系統に接続し、充放電する技術(V2G)の検証などに取り組むことで、省エネ・系統安定化などを目指しています。
「VPP構築実証事業にかかる経費に対する補助金制度」という制度が設けられており、この制度は、VPP構築実証等に参加する場合に、経費の一部が補助される制度です。
VPP補助金はSII(環境共創イニシアチブ)で登録されている蓄電設備にしか給付されません。
製品が補助金の対象製品になっているかどうか、事前に確認しておく必要があります。対象製品であれば、必ず補助対象となるわけではありません。
通常、施工費を除いた販売価格が機器ごとに設定された目標価格を下回らなければ蓄電設備は補助対象となりません。
目標価格は保証年数によって変わります。
たとえば2018年度であれば、保証年数10年の製品は1kWhあたり、12万円以下で15年の場合には1kWhあたり18万円が目標価格とされます。
補助金額はJEM規格で定義されている「初期実効容量」1kWhあたりで、定額が補助されます。
また、都道府県や市区町村など、自治体ごとに実施されている補助金支給条件は、それぞれルールが異なります。
たとえば東京都の補助金支給条件は蓄電池のみ単体の設置でも補助金が出ます。
補助額としては
この金額の中で最も低い金額が適用となります。
支給対象条件としては
などが設定されています。
蓄電池単体の設置では補助金が支給されないケースなども多くあります。
それぞれの支給条件を前もって確認することが必要となります。
補助金の予算は非常に限られており、通常、締切日よりも前に打ち切られることが多いので、こちらも注意が必要です。
蓄電池には様々な種類があり、その性質によって充放電の仕組みや、使用時のスペックが異なります。
また、同様に蓄電池の寿命も種類によって異なり、あわせて使用する環境や状況など様々な要因に左右されるものになります。
リチウム蓄電池の場合、その寿命は使用期間としては約10年間、サイクル数としては約4000回が目安とされています。
メーカーによっては使用期間、サイクル数、ともに上回っている製品もありますが、リチウム蓄電池の場合、保存状態や充放電によって寿命が著しく劣化する恐れがあるため、スペック維持のためには適切な使用が必須となります。
多くの製品の場合、蓄電容量の10年保証が設けられていますので、正しく使用することで、長期間の仕様が可能です。
住宅用蓄電設備市場はどのように動いていくのでしょうか。
2019年度の住宅用蓄電設備の出荷数は前年2018年度比20-30%増の60,000~65,000台と予測されています。
2018年に大手シンクタンクが発表した予測によると2030年の住宅用蓄電システム市場は2,453億円規模とされ、2017年と比較すると4倍になる予測となっています。
市場拡大の大きな背景としては、北海道をはじめとした、各地で起きた大停電があります。
蓄電設備への需要が急激に高まりました。特に、独立型蓄電池はFIT申請や設置工事が不要なので、納品から施工までが短期間で済み、販売代理店・施工店からの注目も集まりました。
市場の急激な拡大を見越して、各メーカーは新製品を市場に投入しています。
ここでは二極化する製品の傾向についてご紹介しましょう。
蓄電システム導入の際に、必ず初期投資費用です。
昨年2018年末に発売された蓄電容量1.3kWh独立型小型蓄電池は手軽に場所を選ばずに設置することが想定されています。
これまで、設置が難しかった集合住宅など、戸建て住宅以外への導入をターゲットにした商品です。
大手メーカーが発売している単機能型 容量16.6kWhの大容量蓄電システムはkWh単価を下げる狙いです。
蓄電システムは、末端価格を経済産業省が指定する目標価格以下に抑えることで、補助金対象となることができます。
2018年度の目標価格は18万円/kWhだったが19年度は13.5万円まで下がっています。
さらに、現在は、1つの機種で小容量から大容量まで対応できる製品も開発されています。
生活パターンによって、購入時は小容量で使用し、のちに、蓄電部分を追加できるような使用になっています。
購入時に容量を決める必要がなく、使用開始後にも容量の調整が可能という製品です。
太陽電池パネルの太陽年数は20年以上である一方でパワーコンディショナは10~15年といわれています。
パワーコンディショナの交換時に住宅用蓄電池の設置を提案するケースも増えています。
このほか、新電力や電気自動車など関連商材とあわせて、卒FIT住宅へのアプローチが増加していくことが予想されてます。
太陽光発電のパワコン買い替えとともに蓄電池導入が増加しています。
太陽光発電を設置して数年が経過し、蓄電池を設置したいけどパワーコンディショナの買い替えも必要となり、迷っている。
また、太陽光発電と蓄電池、一緒に導入したいけど、設置スペースがなく断念されるケースなどが多くあります。
パワコン一体型蓄電池は太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナを一体化しているため、省スペースで済みます。
さらに、太陽光発電を設置して数年経っている場合はパワコンの買い替えを兼ねることができますので、工事期間も導入費用もその分軽減できます。
導入済みの旧型のパワコンより変換効率がいい場合には、パネルの設置容量が変わらなくても売電量が増えることになり、以前より経済効果が期待できます。
システム保証の兼ね合いなど、クリアにしなければならない点は多くありますが、注目されている商材の1つといえるでしょう。
太陽電池モジュール、家庭用蓄電池、電気自動車内臓蓄電池の3つの電池を連携できる「トライブリッド蓄電システム」は、昼間に電気自動車で外出していても、蓄電池に発電した電気を貯めることが出来ます。
車がご自宅に戻って来た後、蓄電池に貯めておいた電気を電気自動車へ充電することが可能です。
日中に電気自動車を使わなければならない人も、トライブリッド蓄電システムの蓄電池があれば、生活リズムや電気の使用状況に合わせて電気の流れを賢く連携することができ、太陽光発電をうまく活用します。
電気料金プランは時間帯別に設定されているような料金プランにかえると、蓄電池の経済効果はより増すことが想定されます。
一例ですが、昼間の電気代は最大で40円/kWh。
夜間は同じkWhが10円台となるようなプランであれば、夜間に蓄電池に電気をため、電気代の高い昼間は太陽光発電した電力を自家消費し、曇りの時になどは蓄電池で賄う。
これによって、昼間はほとんど電気を買うことなく、太陽光電力と、安い夜間電力のみで生活ができるようになります。
蓄電池等の導入により、余剰電力をため、使う時間をシフトするような自家消費の生活は、実現できる環境になってきています。
電気自動車やエコキュートなども含め、関連商品の低価格化も注目されています。
蓄電システムとの組み合わせにより、太陽光発電システムで発電した電力はより有効に使うことができます。
「あなたのご家庭ではどれくらいおトク?太陽光発電のシミュレーションを”無料”でお試しください!」≫
省エネ製品の1つである蓄電地ですが、太陽光発電システムと組み合わせることでの相乗効果は大きく、さらに、大きな節電効果をもたらす製品です。
また、製品・商流の多様化によって、幅広く将来を見据えた提案を行うことで、より有効に使うことができます。
当社では再エネビジネスのセカンドオピニオンとして、太陽光発電や再生可能エネルギーに関するご相談の窓口をさせて頂いております。
VPPに関する取り組み、また再エネビジネス・環境商材について、何かご質問やご不明点があればお気軽にご相談ください。
記事をシェアする
年中無休 10:00~20:00 (年末年始を除く)
Contact
太陽光発電・蓄電池のことや費用についての
ご質問・ご相談はお気軽にご連絡ください。