お金

地球温暖化が懸念されるにつれて、環境に優しい省エネ設備が注目を集めています。
環境に優しいだけではなくエネルギー代の削減も叶う省エネ設備ですが、どうしても気がかりなのが費用面の負担ではないでしょうか。

そこで、気になる費用面を強力にバックアップする補助金制度について解説します。

省エネの心強い味方!行政による補助金制度

せっかくなら、補助金を上手に活用して初期費用を抑えたいところ。
そこで、制度を賢く利用するために知っておきたい基礎知識を紹介していきます。

国からの補助金

まず、省エネに関わる補助金の一つに、国から交付されるものがあります。

例えば、通称でエネ合とも呼ばれる「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」もその一つです。
その他にも、蓄電池やHEMSなど多様な機器を対象に補助金が出されています。

地方自治体の補助金

国のほかに、都道府県や市町村といった、いわゆる地方自治体も交付を行っています。
太陽光発電システムやエネファームといった創エネ関係の機器や蓄電池、また、HEMSなど対象となる機器や交付要件などもさまざまです。

そのため、お住まいの自治体でどのような補助金が出されているか一度確認した上で利用を検討しましょう。

国の省エネ設備に対する補助金

国による補助金は、太陽光発電システムや蓄電池、電気自動車まで対象設備も様々です。
その中でも、毎年継続的に予算が組まれ、多くの機器が対象となっている補助金を3つご紹介します。

「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」

通称「エネ合」とも言われるこの補助金は、法人や個人事業主を対象に「工場・事業場単位での省エネ設備導入事業」もしくは、「設備単位での省エネ設備導入事業」に、年度当たり15億円を上限として補助を出す制度です。
「工場・事業場単位での省エネ設備導入事業」の対象は、さらに「省エネルギー対策事業」「ピーク電力対策事業」「エネマネ事業」の三つに分けられ、それぞれで、または組み合わせた形での受給を行うことができます。

また、「設備単位での省エネ設備導入事業」は主に、高効率の照明や空調、業務用給湯器などが対象となっています。

「ASETT(アセット)」

通称「ASETT(アセット)」と呼ばれる、CO2の削減を行う企業に対して補助金を交付する事業が環境省によって実施されています。
正式名称を「先進対策の効率的実施によるCO2排出大幅削減事業設備補助事業」といい、CO2の排出が著しく増加した業務部門や、全部門の中で最も大きいウェイトを占める産業部門を対象に、CO2削減に向けた設備投資に対する補助を行っています。

この制度で特徴的なのは、目標以上にCO2を削減できた企業と、目標を下回ってしまった企業の間で「排出枠」を取引できるという点です。

そのため、目標を達成できなかった企業は、排出枠を買って不足分を補わなければなりません。一方で、目標を上回れば排出枠の売却で利益を得られます。

「既存建築物省エネ化推進事業」

国土交通省も既存住宅を対象にした「既存建築物省エネ化推進事業」を行っています。

先述の2つの補助事業が主に「省エネにむけた設備投資」を対象としていたのに対し、この補助事業は「既存住宅における省エネルギー性能の評価・診断」を対象にしているという点が特徴的といえます。
「優れた省エネ性能を持つ住宅や建物が適正に評価される環境を整える。」という目標のもと、省エネ性能の診断や第三者機関による認証などにかかる費用に対して補助を行っています。

今、地球温暖化の原因とされる温室効果ガス削減と、経済成長との両立を目指して省エネを推進する政策がすすめられています。
政府は2030年までに5030万klのCO2削減と1.7%/年の経済成長を両立させるという目標のもと、省エネ設備投資に対して様々な補助金を出しています。

その他にも、継続的に予算を組まれているものもあるので、使用されている、または導入予定の設備が対象となる補助金がないか確認の上、上手に活用しましょう。

補助金を受けるために必要な条件

省エネを目的とした設備投資を力強くアシストしてくれる補助金事業ですが、すべての事業者がそうした補助金を受けられるわけではありません。

それでは、どういう条件を満たした事業者が採択されやすいのでしょうか。採択に必要な基準を知って、賢く制度を利用しましょう。

省エネ率

省エネ イメージ

採択に用いられる基準の一つに、その設備投資でどれくらいの省エネを実現できるかを表した「省エネ率」があります。

実は、省エネ事業のレベルアップに伴って、どんどん競争が激化し、それにつれて省エネ率のハードルもどんどん高まっていると言われています。

平成23年度には12.0%が、採択された案件の省エネ率の平均だったのが、5年後の平成28年度には22.5%と大幅に高くなっており、求められるハードルが高くなっていることがわかります。

省エネの効果

CO2削減量などの省エネ効果も採択基準の一つとされ、効果が高いほど採択されやすくなると言われています。

しかし、ただ効果が高ければいいというだけではなく、削減予想量の根拠となる書類が求められます。
どれにどのくらいの効果があるのかを明確に示す根拠を示したうえで、申請をすることが大切です。

費用対効果

導入による費用対効果も、採択の可否を決める要因の一つであるといえます。
資源エネルギー庁の資料に「投資回収年数が3年以上の事業を優先的に採択する。」との記載があります。

つまり、設備費用の回収に長い年数を要し、投資判断が難しいケースを中心に補助を行っていくことが想定されています。

初期投資額をすぐに回収できるケースよりも、回収に年数がかかり、補助金によるバックアップをより必要としているケースの方が優先されやすいという傾向があるといえます。
省エネ効果が高い方が採択されやすい反面で、回収年数は長い方が優先されるというなかでうまくバランスをとって計画していくことも必要といえるでしょう。

CO2削減を支援する補助金

2030年までにCO2削減と経済成長の両方を実現するという目標のもと、再生可能エネルギーをはじめ、CO2の削減に貢献する設備投資に対して様々な補助金が出されています。

そこで、どのような設備に対して補助制度があるのか見ていきましょう。

二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金

お金と電卓

業務部門・産業部門における二酸化炭素排出の大幅カットを目指して、環境省から出されている補助金です。

コストパフォーマンスの高い事業を採択するとともに、市場の仕組みを生かした制度設計で、CO2排出を大幅に減らすことを目指しています。

再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業

環境省が交付している補助金で、主に再生可能エネルギーによる発電・熱利用設備の導入事業やそれにかかわる事業計画の策定に対して支払われます。

そのほかにも温泉の多段階利用に向けた調査事業や、地中熱を利用したヒートポンプのモニタリング機器における整備事業も対象となっており、経費に対して一定の割合で補助が出されます。

減災防災・低炭素化自律分散型エネルギー設備等導入推進事業

環境省によって平成28年度まで出されていた補助金です。
こちらは、低炭素化に加えて、防災・減災といった災害対策の二つが主な目的です。

防災拠点として位置付けられた場所や災害時の避難場所など、万が一の災害に際して機能を求められている公共施設に対して、分散型・自立型といった災害に強いエネルギーの導入をバックアップしました。

公共施設等先進的CO2排出削減対策モデル事業

2030年のCO2削減目標に向けて、公共施設等に再生可能エネルギーを用いた自立・分散型システムの導入を行い、地域全体で効率的なエネルギー管理のできるまちづくりを実現することを目指した制度です。

再生可能エネルギーの導入を進めるとともに、FITのもとでの売電に頼らずに作ったエネルギーを効率的に用いることを目指し、補助金によって導入コストの削減を図っています。

離島の低炭素地域づくり推進事業離島の低炭素地域づくり推進事業

本土と系統連系がなされておらず、コスト・二酸化炭素排出量ともに高いディーゼル発電に依存せざるを得ないケースも多い離島ですが、系統連系が脆弱であるため、再生可能エネルギーの導入が難しい地域でもあります。
そうした問題の解決策として、離島での設置における制約を踏まえた再生可能エネルギーの導入に対して補助を出し、低炭素な地域づくり実現を目指す制度です。

補助金を活用して省エネ実現を

2030年の削減目標に向けて、様々な省エネ機器・省エネ事業を対象に補助金が出されています。そうした制度を賢く利用し、省エネルギー化を実現しましょう。
地球温暖化対策などのエネルギー・環境を取り巻く問題が取りざたされている中、二酸化炭素の排出削減と経済的な成長とを両立する解決策として、省エネルギー化の推進が目指されています。
環境に優しいのはもちろんのこと、事業者にとっても企業イメージアップや電気代等の削減といったメリットもある省エネルギー化ですが、導入にかかるコストも気になりますよね。
そこで、導入を力強くバックアップしてくれる制度をうまく活用し、コストを抑えて上手に省エネ化を実現しましょう。